ザッカーバーグ、EUのプライバシ保護法をFBでグローバル適用する考え。「適用しない」というロイター報道に憤慨

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ザッカーバーグ、EUのプライバシ保護法をFBでグローバル適用する考え。「適用しない」というロイター報道に憤慨
Image: Justil Sullivan/Getty

Cambridge Analyticaによる8700万人のユーザーデータ流用問題で、ここ数週間謝りっぱなしのFacebook。これからは、お詫びではすまなくなります。なにせEUにて、個人情報保護対策が強化されますから。

EUでは、5月から新たにEU一般データ保護規則の適用が開始される予定です。これは企業による個人データの取り扱いを規制する法律で、様々な制限が設けられます。企業は、ユーザーのデータを取得する際は事前にユーザーから明確な同意を得ること、データがどのように取得・販売・シェアされるのかを明確にすること、データ漏えいが起きた場合は72時間以内に発表すること、などというルールが盛り込まれており、世界的にみてトップクラスに厳しい規制となります。

導入の目的はEU居住者が自身のデータを管理する権利を取り戻すこととされており、EU居住者のデータであれば、それを管理する企業にはEUの内外を問わずに適応されます。もちろん、Facebookもこれに従う必要があるのですが、流出問題が話題になっている今、その対策はグローバルに導入されるだろうという期待がありました。

ところがロイター紙のインタビューにてザッカーバーグCEOはこの件に触れた際、「 EUの規制5月適応に向けて準備中 」だし「規制は素晴らしいと思うが、Facebookで世界的に導入するつもりはない」という旨を発言。ロイター紙は「気持ち的にはすべてをこの方向にもっていくべきなんですけどね」というザッカーバーグ氏の答えを「EUの規制は素晴らしいが、FB的にはグローバル導入は無理」と捉え、報道しました。

するとその翌日、アメリカ現地時間2018年4月4日の水曜日、ザッカーバーグ氏はマスコミの電話会見で報道を否定します。彼は発言の意図をねじ曲げられたという言い分で「ロイターの報道に驚いている」と憤慨していました。そしてインタビュアーに「EU一般データ保護規則の規制を世界的にも展開する予定はあるか」と質問されると、「YES」という旨を回答。

「EU一般データ保護規則のような規制はとてもポジティブだと思います」

「ヨーロッパだけでなく全世界で同じコントロール方法&設定を導入しようと考えています」

電話会見にてそう語ったザッカーバーグ氏。ただしEU一般データ保護規則とまったく同じ状態でグローバル導入するのは難しいことにも触れ、異なる市場、異なる法律圏でどう対応していくか、対策を練る必要があるとしています。

まとめると、ザッカーバーグCEOの答えは「YES*」といった感じ。Facebookは「EU一般データ保護規則と同レベルの個人データ保護規制をグローバル適用したいし、していくつもり(*だけど詳細は未定なのでこれから考えなくちゃ!)」と。まぁ、そんなところが、ロイター紙の「気持ち的にはしたいけど無理」報道につながってしまったのでしょうけどね。

頑張れー!


Image: Getty
Source: Reuters

Tom McKay・Rhett Jones - Gizmodo US[原文12
(そうこ)