飛行機に乗っていたら、前席の乗客が身勝手にもシートを倒してきました。ただでさえ足元の空間が狭いというのにです。あなたが悪態をつくと、相手は振り返り罵声を浴びせてきました。

「疲れているんだよ。眠りたいんだ。シートぐらい倒したっていいだろう!」

さて、相手とあなた、悪いのはどちらでしょうか? どちらも悪くない、とMike Rugnetta氏は言います。悪いのは、乗客の間で争いが起きるような状況をつくった航空会社です。

航空会社がこの状況を作り出しています。あなたを怒らせる直接の意図はないとしても、利益を増大させるために、乗客のスペースを犠牲にしているのです。あなたは、足の上にシートを倒されるような、また、当然の権利であるリクライニングをしたら後ろから蹴り上げられるような状況に対して何もすることができません。1人の人間を相手にするほうがずっと簡単です。結果、航空会社はおとがめなしというわけです。

航空会社(と製造会社)は、機内にシートを何席配置するか、料金をいくら請求するかを決め、安い運賃の乗客をぎゅうぎゅうに詰め込んで、高い運賃のシートをより魅力的なものにするシステムを考え出しました。利益を最大化するために、航空会社は乗客の幸福を犠牲にすることにしたのです。これは企業としてはごく一般的な選択です。あなたがそこかしこで感じる小さな不満の背後には、たいてい企業のこうした選択があります。

たとえば、「前席の乗客がシートを倒してきたと」「働き過ぎのバーテンダーがまだ飲み物をつくってくれないとき」「混み合った地下鉄で1つの空席を取り合いになったとき」。

こうした場面にはたいてい、その背後に企業の利益優先の選択が隠れています。企業のような権力を持つ者が、私たちを互いに争わせ、また本当の敵が誰であるかを忘れさせているのです。

このシステムと戦うことは不可能ではありません。私たちは団結することができるし、ほかの選択肢を選ぶことだってできます。なかにはどうしようもないケースもありますが、少なくとも同じ犠牲者である仲間に八つ当たりをしないように気をつけることはできます。こんど誰かと揉めたときには、相手に礼儀正しく接してください。そうすることで、次の2つの利点があります。

  1. イヤな人間になることを避けられる。
  2. 和解にいたる可能性が高まる。

ですので、今後誰かから気分を害されたり、誰かを攻撃しそうになっていたら、立ち止まって、相手は自分と同じく犠牲者なのではないかと考えるようにしてください。そして長期的な視点をもって、こうした被害者仲間とどうすれば同盟を組めるかを考えてみましょう。


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Source: drip

Nick Douglas - Lifehacker US[原文