果てしない作業の応酬。コマ撮りアニメ映画『犬ヶ島』のパペットメイキング映像

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果てしない作業の応酬。コマ撮りアニメ映画『犬ヶ島』のパペットメイキング映像
Image: (c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation, FoxSearchlight/YouTube

作業も精密でスケジュール表も細かい!

舞台は日本のゴミの島という、ウェス・アンダーソン監督コマ撮りアニメ映画犬ヶ島。これは未来の日本、メガ崎市に溢れかえった犬たちの伝染病蔓延を阻止するべく、犬たちをゴミの島である「犬ヶ島」に投棄するお話です。そこに12歳のアタリ・コバヤシ少年が、愛犬スポットを探しに飛んできます。彼と仲間となった犬たちとの探索は、どのような冒険になるのでしょうか?

前回はコマ撮り撮影の、文字通り“舞台裏”の様子をお披露目し、途方もない時間をかけて一コマ一コマ作っていく様子を見ることができました。

今回は登場するキャラクターが、どのように作られたのか?というメイキング映像です。

Video: (c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation, FoxSearchlight/YouTube

パペットの撮影スタジオAMSでは、アンディー・ジェント氏がすべてを決めています。彼が言うには、この映画で900近いキャラクターが作られ、数千種類の表情がすべて手作業で作られたとのこと。

スカルプターは12名おり、デザインが決定したキャラはが作られ、金属製の骨格も作られます。その骨格を型にはめ、柔らかめのシリコンを流し込んでを作るのです。

顔に297個のソバカスを持つトレイシーというキャラは、複数作られた顔パーツすべてを目視と手作業でコピー。ペインティング部の部長アンジェラ・キーリーさんは、およそ22,000のソバカスをひとりで描いたのだそうです。

髪の毛部門もまた一本一本の毛を植毛するので、大変な作業です。同じキャラは眉毛やヒゲなども、すべての顔面パーツがカンペキに同じになるよう植毛しなければいけません。犬たちもアルパカなど本物の動物の毛を植毛し、全キャラの全行程で何百万本もの植毛を行なったそうです。

衣装製作でも様々な種類の布地が使われています。ストップモーションの撮影では、布も「止まる」必要があり、かつポーズをとらせる時は動かなければならないので、コントロールできる布を用いています。

こうしたメイキングを知っておくと、本編をより楽しむことができそうですよね。『犬ヶ島』は、5月25日(金)全国ロードショーの予定です。


Image: (c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation, YouTube
Source: YouTube

岡本玄介