仲良し。
本日、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクの日本の携帯キャリア大手3社が、SMS以来とも思われるキャリア間メッセージングサービス、「+メッセージ」を5月9日(水)より提供開始すると発表しました。
「えぇ…、またいらないアプリが増えるの?」なんて言わずにちょっと見ていってくださいな。発表の内容をよく反芻してみたところ、+メッセージはそのシンプルな名前からは想像もつかない可能性を秘めていることがわかったのです。
そもそもSMS(ショートメッセージングサービス)とは、その名のとおり短いテキスト(半角140字・全角70字)しか送受信できないサービスです。Twitterの140字制限がここから由来していることもあって、やっぱり短いという印象が強いですね。
それに比べて、LINEなど最近のメッセージングアプリはパケット料金こそかかるものの、文字数に(大した)制限がないうえに、画像やスタンプなども送れます。
今回発表された+メッセージは、その差を詰めたうえでさらに先を目指すサービスなんです。
まず、ユーザー同士(C2C)のメッセージング機能は、一通りそろえられています。全角文字最大2,730字のテキスト、グループチャット、スタンプの送受信、写真や動画といったファイルの送受信(最大100MB)、音声メッセージ、地図情報の共有、既読・未読表示などが可能に。それと、電話番号さえあればユーザー登録がいらないのもイイトコロですね。
しかし、一番可能性に満ちていて面白そうなのは、企業からユーザーへの(B2C)メッセージング機能だと思います。なぜかというと、+メッセージを支えているのが国際基準RCS(Rich Communications Services)で、RCSに定められていることは基本的に可能だから。そして、このRCSがすごいのです。
この動画では、RCSに準拠したメッセージアプリの機能が紹介されています。その内のひとつに「飛行機の電子チケットとその座席表を航空会社から受信する」というものがあるのですが…これは飛行機チケットに限った話ではありません。
番号付きの携帯電話(SIMカード)を契約するときって、個人情報(名前や住所など)を渡してキャリアと本人確認をしますよね。
で、+メッセージは、電話番号がないと使えないサービスです。
ということは、+メッセージが使えているユーザーは、それだけである程度本人確認が済んでいるようなもの。
なので、将来たとえばホテルの予約なんかも+メッセージ単体でできるようになるかもしれません。そのホテルの電話番号に+メッセージをひとつ送ると、キャリアが保持しているユーザーの個人情報が(ユーザー承認のもと)ホテルのサーバーと共有され、自動で予約完了、といったイメージです。
もっと具体的な理想の使い方もご紹介。音声アシスタントに「近くでオススメのホテルは?」と聞くと、「こちらのホテルのこの部屋がオススメです」と返ってきたりして、「じゃあそこで」と返すだけで、RCS基準のメッセージを通じて音声アシスタントが予約しておいてくれるかもしれないのです。
とはいえ、これはあくまでも個人的な予想。なので鵜呑みにはしないで欲しいですが、+メッセージ(RCS基準)が普及したその先に、こんな未来があったらいいですよね。でもそうするとアプリ時代は終わりそうな気がします。少なくとも、軽機能なアプリはインストールする必要がなくなりそう。
発表によれば、5月以降にキャリア3社から販売されるAndroid端末には、+メッセージアプリがプリインストールされるそうです。それ以前に販売されたAndroid端末(Version 4.4以降)には、各社それぞれ別の対応。ドコモの場合はHPからアプリをインストール、auはau Market、ソフトバンクはGoogle Playでそれぞれバージョンアップさせましょう。対応機種にはアップデートの通知が来るといいなぁ。
そしてiPhoneに関しては、プリインストールという行為そのものができないので、5月以降に購入してもアプリストアからのインストールが必要となります。これは販売店で案内がありそうですね。
ちなみに格安SIMなどのMVNOは、要望に合わせて検討していくとのこと。MVNOをご利用で、対応を望んでいる方は、運営会社に問い合わせてみてください。
+メッセージ、普及すればするほど便利になりそうです。そのときは「プラメ」とかに略されるんでしょうか。
Photo: ギズモード・ジャパン
(西谷茂リチャード)