飼い猫のハーバートに聞きたいことは山ほどあります。「なんで私の財布を噛むの?」「私が手に化粧水をつけたら怯えるのはなぜ?」「私のこと好き?」「それとも嫌い?」でも、一番聞きたいのは多分「どんな人生なのか教えてくれる?」でしょう。

バート(ハーバートの愛称)は数年前にハーレムの道端で拾われ、保護施設に連れていかれ、そこで私が見つけました。ですから、それ以前のバートのことは何も知りません。

飼い猫の「これまで」を知るには?

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うちの子、ハーバート
Image: Lifehacker US

過保護で共依存しているほかのペットの親と同じように、私もバートのことを、知識や、感情や、魂や、あらゆる細胞レベルで理解したいと思っています。2018年の現在でも最初の3つは難しいですが、4つ目の細胞レベルで飼い猫のことを知る方法を見つけました。

Basepaws」は猫の遺伝子検査をする会社です。2016年に創業し、愛猫・バートのDNAデータを含む最初の検査結果を最近発表しました。猫の遺伝子に興味がある人のために、今回はその検査や結果がどのようなものかを少しご紹介しましょう。

まず、飼い猫の遺伝子サンプルを採取してBasepaws社に送るための検査キット「CatKit(95米ドル)」を注文します。

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毛を採取するテープを使用した様子がこちら
Image: Lifehacker US

私の検査キットには、頬の細胞を採取する綿棒(こちらに関しては最近、Basepawsは毛のない猫以外の唾液のサンプルを採取することはやめました。検査には毛髪の方が良いですし、猫は口の中に棒を突っ込まれるのは好きではないからです)や毛を採取するテープなどが入っていました。

長期的な投資と考えましょう

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検査キット「CatKit」の中身
Image: Lifehacker US

飼い猫のサンプルを採取したら、それをBasepawsのロサンゼルスの施設に送り、結果を待ちます。Basepawsに最初に検査結果を送ったグループの一員だったので、辛抱強く結果を待たなければなりませんでした。結局、検査結果が届いたのは7ヶ月後でした。

今では検査結果が届くまでの期間は少し短くなっていますが(2〜6ヶ月)、猫の遺伝子検査に参加しようと計画しているなら、おそらく長期的な投資のように考えた方がいいと思います。猫をすぐに喜ばせたいのであれば、おもちゃを買ってあげた方がいいでしょう。

Basepawsは、検査結果を元に、健康や祖先、性質の予測など遺伝子に関連する情報(「キャットニップ中毒になる可能性はあるのか?」「遺伝子によってわかる身体的な特徴は何か?」など)に取り組むことを目的としています。

しかし、Basepawsはできたばかりの会社であり、遺伝子検査はデータベースの量に比例するので、最初のアルファ・レポートには品種別の猫のレポートと野生の猫のレポートが入っているだけでした。

その後は、私のBasepawsのプロフィールで自動的に更新されます。Basepawsの遺伝子検査でわかった、現時点のバートの情報は以下の通りです。

品種別のインデックス

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Screenshot by Lifehacker US via CatKit

品種別のインデックスによると、バートの遺伝子は現在データベースにある24の純血種の猫のいずれとも、大きく一致しませんでした。

つまり、バートは国産の(おそらくは未検査品種の)猫だろうということです。検査結果では、バートは平均的な米国内の猫よりも、ラパーマアメリカン・ショートヘアブリティッシュ・ショートヘアと共通の遺伝子を多く持っていました。

これは私が予想もしなかった組み合わせです。さほど驚きませんでしたが、バートの家系がどのような品種の猫で構成されてきたのかを想像するのは楽しいです。

たとえば、あなたが自分の遺伝子検査をして、アイルランド人とイギリス人だけでなく、スカンジナビア人やウェールズ人の血も入っているとわかるようなものです。

猫科の動物のインデックス

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Screenshot by Lifehacker US via CatKit

こちらはもう少し野生に関する情報です。Basepawsのアルファ・レポートでは、バートの遺伝子を18種類の猫科の動物とも比較しており、明らかにピューマの血を引いていました。

残念ながら、これはバートの曾・曾・曾・曾おじいちゃんがピューマという意味ではありません。BasepawsのWebサイトにも書いてあるように、猫の遺伝子がピューマやオセロットに似ているかどうかは、偶然の結果である確率が高いのです。

あなたの猫の祖先がたまたま他の猫よりも、猫科の動物と共通する遺伝子をより多く受け継いだというだけです。

つまり、バートの祖先の一匹は実際に猫科の動物で、異種間の恋愛の産物としてバートが生まれた可能性もある、という話を人には言えるでしょう。

Basepawsのデータベースが構築され続ければ、私が今手にしている結果も変わり、より正確になっていきます。私はBasepawsの猫の遺伝子検査キットを買い、自分の猫の遺伝子を提供した最初のグループの一人なので、検査に関する情報(疾病の遺伝的要因、推奨される食生活、性格の予測など)は生涯更新され続けると、Basepawsの共同創業者でありCEOのAnna Skayaは言っています。

これは、新しくCatKitを購入した人にも、今のところは同じように提供されます。ある時点を過ぎると、新しい購入者は自分の猫の情報を入手するのに、お金を払わなければならなくなります。

近い未来、バイオバンクをつくる手助けにも…?

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検査キットを使う前のワンシーン。ふたりともどこか不安げ
Image: Lifehacker US

Skayaは、長期的には、ペットの健康に関する情報、獣医の診断に関わる遺伝子的な発見や、動物ほど施設で里親に提供する情報の一部などを提供したいと言っています。さらに長期的には、猫の遺伝子からわかったことを、人間の健康にも応用できたらと考えています。

そんなことできるのかと思うかもしれませんが、NCBIに寄せられた論文によると実際、猫の遺伝子の約90%は人間と共有しているので、猫科の動物は人間の病気を理解する上でいいモデルになる可能性があるということです。また、情報共有という意味では、猫にはプライバシーに関する懸念がないのもいいです。

それまでは、Basepawsの遺伝子検査が、バートのような飼い猫の秘密を少しずつ明らかにしていくことでしょう。そして、将来猫と人間どちらの助けにもなるバイオバンク(遺伝子情報、血清、臨床情報などを収集・保管するプロジェクトおよびその施設)をつくる手助けにもなります。Skayaはこのように言っています。

猫は飼い主に話すことはできませんが、飼い主が猫の遺伝子を採取すれば、その猫に関するあらゆる興味深い情報がわかります。

私はこれからもハーバートに色々な疑問を問いかけると思いますが、私たちが共通の言葉を話せるようになるまでは、遺伝子情報の語る物語が、私と彼の間にあるギャップを埋めてくれることでしょう。

Image: e-leet/Shutterstock.com, Lifehacker US

Source: Basepaws, CatKit, NCBI

Caitlin Schneider - Lifehacker US[原文