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日本

経産省、基幹送電線の50%を予備として空けておくルールを見直しへ 53

ストーリー by hylom
冗長性はどれだけ取るべきか 部門より

経済産業省が送配電網の利用ルールを見直す方針を決定した。今までは送電線容量の50%を予備として確保しておくルールだったが、今後条件付きでこの予備部分の容量を利用できるように変更するという(SankeiBiz産経新聞日経新聞)。

送電網については、基幹送電線の利用率が低いにも関わらず、発電事業者が送電線に空き容量がないとして送電を断られる、もしくは送電線の増強費用を求められるといった問題が指摘されていた(東京新聞の1月31日付け記事)。送電線のうち一部を緊急時用に確保していたため、その容量の一部しか利用していなかったのが理由(資源エネルギー庁による解説。今回の見直しでは、予備として確保しておいた空き容量について、緊急時に利用を停止・制御できることを条件として再生可能エネルギー事業者などに利用を認める。

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  • by Anonymous Coward on 2018年04月18日 15時45分 (#3395155)

    この辺りを研究されている京大教授のインタビュー記事
    https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/solar/1109965.html [impress.co.jp]
    にこうある

    本来のリスクマネジメント的考え方で計算すると、すべての電源が最大出力になり、しかもその瞬間に基幹送電線に事故が発生する確率は、何万年に一度レベルの極めて稀頻度であることがわかります。これほど稀頻度事象のために新規電源が接続を制限されるのは合理的とは思えません。もっと既存設備を有効利用する方法もあるのです。

    という事で、100%をターゲットにしていたものを、ほんの僅か確率を下げてやるだけで、大幅にコストを削減できるということみたい

    業界によっては「精密オンチ」という言い方がされる案件で、非常にあるあるネタ。
    どれぐらい解放されるかはわからんようだけど、失敗したら爆発して半径20キロ人が住めなくなる、とか言う話でもあるまい、せいぜい3σぐらいありゃ十分なんじゃないか。

    電力の価格決定は、総括原価方式であるため、かかった分だけ請求できる構造だった。さらに送電線は、電力債などの長期的借入で賄う発電所と違って帳簿上で明確な負債にならないから、電力会社にって、コストと利益のバランスを取る動機がなかったんだね。
    改善されるのはよいこと。

    • どれぐらい解放されるかはわからんようだけど、失敗したら爆発して半径20キロ人が住めなくなる、とか言う話でもあるまい、せいぜい3σぐらいありゃ十分なんじゃないか。

      病院などの生命維持装置への給電が止まることで死者が1人出るだけでも許容できないのではないかと思いますが、
      そもそも、そういった装置が既存の電力網頼みという設計の方が問題な気がします。

      日本の水道水はそのままでも飲める品質なのですが、風呂や洗い物に対しては、明らかに過剰品質ですよね。
      かといって、勝手に水質を下げれば、生水飲んで腹を壊す人が出てくるかもしれません。

      まずは、現在の過剰な品質であることに対して社会的なコンセンサスを得て、クリティカルにならないように
      (=電力網が止まっただけで生命維持ができなくなるようなことが無いように)
      見直す必要があるように思います。

      親コメント
    • 安田氏がエネルギー戦略研究所株式会社の社員で、エネルギー戦略研究所株式会社が京大に寄付して作った講座の特任教授でしかないのに京大教授としてあちこちで発言しているのは利益相反だと思うのです。
      http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/renewable_energy/member [kyoto-u.ac.jp]

      主張自体はしばしばメディアが曲解してるだけでそんな変な事は言ってないと思いますけどね。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        うわぁ…
        なんつうか「大学教授」って名前での「専門家の意見」って世間的には信用あるんだろうけど、
        それを利用するための小細工する奴がまとも(?)な奴にも詐欺師にも多すぎるな。
        そのうち日本で目立つ発言をする「大学教授」はだいたい詐欺師、みたいな認識が確立されるんじゃないか。

    • by Anonymous Coward

      要は緊急事態にハードで対処するかソフトで対処するかなわけですが、
      確かに過大なハードを抱えるのも問題ですが、ソフトが苦手と言われちゃう日本ではどうなのか。
      そこらへんからちゃんとやってくれというのが「条件」なんでしょうけど。

      • by Anonymous Coward

        要は、って全く違うぞw
        そんな話じゃない。ソフトとかハードとかじゃない。単に確率の計算の話。

        • by Anonymous Coward

          別に元コメの「要は」じゃないんですがね

    • by Anonymous Coward

      >本来のリスクマネジメント的考え方で計算すると、すべての電源が最大出力になり、しかもその瞬間に
      >基幹送電線に事故が発生する確率は、何万年に一度レベルの極めて稀頻度であることがわかります。

      東関東大震災「へー」

      • by Anonymous Coward

        その手の災害が発生すると発電所は停止するか稼働率を下げますから,この件については問題無いですよ。

        経路の冗長化の話ではなく、容量の話ですのので。

        大震災さんは安心してお帰りください

    • by Anonymous Coward

      それはそうなんだけど、今の日本では難しいと思う。
      例えば、電力供給が安定してない途上国とかいくと、PCは普通に電圧安定機とかUPSとかに繋いであったりする。
      停電があったりしても、まあ暫くすれば復旧するよねーとのんびりお茶して過ごしたりする。

      で、日本はというと、みんな電気は安定供給されると思ってるからなんの備えもしていない。
      停電どころか電圧が不安定になっただけでPCが死んで大騒ぎだし、どこもかしこも電化されてるから、インフラもみんな回らなくなってしまう。
      この状況で、品質を下げてコストを抑えましょう、というのはかなり難しいと言わざる得ない。

      • by Anonymous Coward on 2018年04月19日 8時39分 (#3395510)

        過剰品質をやめるのは容量の話なので、経路の冗長性の方はそのまんまですよ。
        そんで、安定供給側で品質に関係するのは経路の方。

        今、最大で50必要な所に100がないと送電線として運用できないルールなのでバイパスを作るにしてもお金がかかりますが、逆に現実的な想定になればハードルが下がるので非常用のバイパスも設置しやすくなるかもしれない。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        通常発生し得ない確率で事故を許容するだけなら影響はないかと。
        変な再生可能エネルギー電源大量につないで波形が汚くなるリスクもありはするだろうけどそれはまた少し別の話だろうし。

        元コメの話だと「全ての発電施設が同時に最大出力になり(メンテや需要やらでほぼありえない)、
        その状態で何らかの支障が生じた場合(そう多くない)にも影響がないことを保証する容量を持つ」のが現状。

        ヤシマ作戦でもやらなきゃ全発電所が同時に最大出力にはまずならないでしょ。
        しかもその条件下で使用可能になる帯域は緊急停止機能を持った物が利用する。
        元コメの話を踏まえると「全ての発電施設が

  • by honttt (48326) on 2018年04月18日 17時53分 (#3395230) 日記
    その容量とやらを超えるとどうなっちゃうの?熱くなって切れちゃったりするのかな。
  • by Anonymous Coward on 2018年04月18日 15時44分 (#3395154)

    ダックカーブ現象というものがあって
    そこらへん解決させない限り問題解決にならないだろ

    昼間ガンガン発電しても需要が無いのでは
    受け入れ体制整えたところで意味があるのか・・・

    • by Anonymous Coward

      むしろ電力需要が危機的なのは、夕方から夜間にかけての時間帯で、太陽光発電では無力な時間帯である。

      • by Anonymous Coward on 2018年04月18日 16時58分 (#3395197)

        日中、火力を少なめにして再生エネルギーの発電を多めにして、夕方から火力増やせば、燃料の節約にはなるんでない?
        燃料の節約にはなるけど、買取額の増加になるので、収支はあんまり変わらなそうだけど。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          安定供給の観点でも再生エネルギーと同量の火力はどのみち保持しとかないといけないしね。
          燃料代をさらに節約するならFIT買取価格を昼間は安くして夕方高くすればいい。
          みんなソーラーパネルを西に向けるだろう。

    • by Anonymous Coward

      それは供給が需要を上回ってから心配すれば十分かと

      これはそれ以前の問題

      向こうで「ダックカーブ現象」と騒いでるのは「再エネは駄目だ」と言う方面ではなく、「再エネは十分に育ってきたが、は既存の発電設備を撤去できない、どうする?」って話で、日本はまだそこを心配するような段階まで行けてません。

      • by Anonymous Coward

        一瞬でも需要が供給を上回れば大停電になるので、供給調整をしているのが現実です。供給量以上の需要が予想される場合には、安く電力を提供する代わりに非常時に真っ先に電力の供給を止められる契約になっている需要家に調整のため電力供給を停止しているのです。

        • by Anonymous Coward

          それはこの件じゃなくて、発電所が足りなかった時の話でしょ

          • by Anonymous Coward

            挙句、その場合の供給停止のインパクトは、地震なんかで原発が停止した時の方が圧倒的に大きいという。
            まあ実際供給規模が大きい原発の予定外の停止に対応する為に大き目の余裕を取って居るのってのは有るのだろうけど。

  • by Anonymous Coward on 2018年04月18日 16時30分 (#3395179)

    太陽光発電の接続が嫌われるのは、発電量の変動が大きく、需給調整のために余分な発電をしなければならないからだ。一瞬でも需要が供給を上回れば大停電になるだけに深刻なのである。送電線の容量云々はただの言い訳でしかない。別の言い訳が出てくるか、正直に1時間当たりの送電量の変動率を何%以内かで維持できるように蓄電施設の設置が義務付けられるかのどちらかだろう。

    • by SunTown (45384) on 2018年04月18日 18時31分 (#3395252)

      あと、現状のFITだと、固定価格での全量買い取りが義務付けられているのが厳しいですね。
      太陽光発電の発電量が急激に減った時に、それに追いつくように他の発電を立ち上げる難しさと、
      逆に太陽光発電の発電量が急激に増えたときに、他の発電を急に止める難しさの両方があります。

      これを少し緩和して、太陽光発電量が急激に増えたときや送電線の容量が限界になったときなど、
      条件を限定しつつも、太陽光電力の受け取りを一部断ることを許容するようにすれば、
      最悪条件でも全量受電をできるように設けた余裕を削ることができて、
      太陽光容量を増やしても問題がなくなるとともにコストも下がるはずなんですが。
      現に九州電力が新規接続を断る騒ぎになった時、一部の受電を断れる条件なら
      受け入れできると言明していましたし。

      今の制度だと、少したりとも太陽光発電業者の利益を減らさないように、
      買い取り拒否ができないんですよね。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        時間帯で買い取り価格を変えて太陽光発電側に対応を迫るのが
        安上がりな対処だと思うんだけどねえ。
        真南向くのをやめろっていう

      • by Anonymous Coward

        むしろ太陽光発電の発電量が急激に減った場合の方が深刻です。

      • by Anonymous Coward

        買取拒否、ってのとはちょっとニュアンスは違うけど、既にメガソラーは出力抑制装置が義務化、家庭用も極力付けろってことになってますよ。 もう2,3年たつんじゃないかな。

    • by Anonymous Coward

      ダムって知ってる?

      • Re: (スコア:0, 荒らし)

        by Anonymous Coward

        そうだよね
        太陽光発電や風力発電側がダムを作って安定量を売電するようにすればいいよね

        なんで買取側が配慮しなきゃならんのだ
        何でもかんでも既存発電側にやらせようとすんな
        自分たちで品質向上しろ

      • by Anonymous Coward

        端末の方? それともハブの方?

      • by Anonymous Coward

        蓄電施設としてのダムのことですか?

      • by Anonymous Coward

        まあ揚水発電の稼働率は全国的には3%位しかないからもっと増やせるかもね。
        多分原発再稼働時にまた利用するためにとってあるんだろうけど。
        九州ではフル稼働だったと思うよ。

      • by Anonymous Coward

        バカって意味だろ。
        お前のような。

  • by Anonymous Coward on 2018年04月18日 16時48分 (#3395193)

    送電線容量の50%を予備として確保しておくルールは、送電系統を2系統以上維持して、1系統が送電不能になっても、残りの送電網の予備容量で維持するためのものだったはずです。2系統で50%づつの送電をしているならば1系統で100%になってもいいよねということです。

    そんなことを緩和して大丈夫なのか?

    • by Anonymous Coward on 2018年04月18日 17時03分 (#3395200)

      それはあっているんだけど、ちょっとイメージが違うと思う。言ってのは

      常に使用率100%の正系統と、同じ要領の副系統の2系統がある。普段は正系統が使われ、片方は常にホットスタンバイになっている。

      みたいなイメージだと思うけど、実際には送電網は

      全部で30系統(数は適当)あり、通常はすべて使われている。平均稼働率は20%だが、設計最大で使われてた場合でも15系統までは故障しても大丈夫。

      みたいな感じ。で、15個同時に故障し、なおかつ同時に設計最大まで使われる可能性を計算すると、非常に低いので緩和しても大丈夫でしょ、ってのがこのお話。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        #3395193氏は2系統で50%づつ、とおっしゃっているので、#3395200)氏の例で言えば全部で2系統で通常はすべて使って50%だが、、、と言うことですね。

        ふとカナダとかアメリカで1989年3月13日、太陽嵐で送電線故障が起こったのを思い出しました。日本の場合、緯度が低いこと、カナダ・アメリカに比べて送電線が短いため電場を拾いにくいこと、送電系統が比較的多いのでいまのところ太陽嵐には強いようですが、今後は太陽電池には弱くなるわけですね。

      • by Anonymous Coward

        たぶん、同じ経路でアクティブ/スタンバイの2系統があって、別経路または迂回路による系統が別にあるという感じでしょう。
        経路Aで2系統、経路Bで2系統、途中で経路Aと経路Bを接続するバイパスの経路Cがあるとかになっているでしょう。

        もっとも、そこまで厳重なのは首都圏ぐらいで、静岡県東部なんか変電所が1か所ダウンしたら静岡県東部全域が停電するなんてひどい状況です。
        複数系統があるといっても、地域差が大きいわけです。

        • by Anonymous Coward

          うーん。どうも理解できてないッぽい人は、経路の冗長化と容量の話を混同しちゃってる感じだな。

          経路の冗長化を今回やめろって話じゃないんだよ。

      • by Anonymous Coward

        江戸川で冗長系統ごと切断したときに停電してたけど
        それ以降、そんなに配電ネットワーク化すすんでるようには思えないけど
        という感じある

        参考
        ttp://www.jgnn.net/ls/img2/1406/denki.pdf

        • by Anonymous Coward

          江戸川の奴は配電線じゃなくて送電線です、って話はおいといて、

          線が切れたらその場では必ず停電はします。電気はパケット化できるわけではないので、切れた前後で再送してつじつまを合わせるわけにもいかないので他の経路から供給に切り替える時間が掛かるので無停電てわけにはいかない。一応経路を冗長化しているので、切り替えて順次復旧できてます。配電網の状態を安定させつつ最短時間で新たな経路に設定しなおせるか、という観点での改善が当時からどれくらいされているのかは知りたいと思うけど情報がないのでわかりません。

          江東線以外でも大抵の送電線は2回線あるいは4回線鉄塔で送電しているので、物理的な事故(衝突、倒壊など)の場合は一緒に切れることがあります。なので
          > 全部で30系統(数は適当)あり、通常はすべて使われている。平均稼働率は20%だが、設計最大で使われてた場合でも15系統までは故障しても大丈夫。
          っていう計算をする場合にはランダムに一つづつ切れるだけではなく同一経路の2回線あるいは4回線が同時停電する前提で計算する必要があるでしょう。

  • by Anonymous Coward on 2018年04月19日 6時55分 (#3395481)

    いざという時は遮断すればいい
    自然エネルギーは不安定だという意見があるけど
    過剰なときはバッサリ切ればいいだけ
    契約とシステムとハードいじればいくらでもできるだろ?

    • by Anonymous Coward

      電力供給が過剰な場合は何の問題もない。経済的に非効率だというだけです。むしろ、太陽光発電からの給電が天候などで急減した場合に、一瞬でも需要が供給を上回れば大停電になる方が深刻なのである。

      • by Anonymous Coward

        天候で需給バランスが崩れるのは再生可能エネルギーに限ったことではなくて、かなり前から電力会社は予測する方法を確立して設備を運用してます。そこは問題にならないかと。

        仮に天候の予測をしくじっても、揚水発電・水力発電をぶん回し、その間に火力発電を立ち上げするので、停電するような問題にはなりません。だから非効率なけですよ。

        • by Anonymous Coward

          揚水発電・水力発電の出力制御ってどのくらいの応答性と容量があるんだろう。
          元々需要の変動を吸収するために余力を持たせなきゃダメだし、
          再生可能エネルギーの比率が増えれば増えるほど確保すべき余力が増える。

          水力はそうポンポン建設できるものではないから、余力を増やすには
          元々水力系で定常に供給してた分を調整用に回すことになるだろうが…
          大雑把な電力需要の変動への追従率を他の電力でも上げる必要が出てきたり、
          調節用に取り置いたが使わなかったエネルギーを場合によっては単純に捨てることになる。

          既存電力の活用率を落としてその分を再生可能エネルギーのお守りに当てるってのは本末転倒感があるなぁ…
          太陽光・風力のお守りはバッテリーでも付けて太陽光・風力でやってくれってなるわな。

          • by Anonymous Coward

            揚水発電・水力発電の出力制御ってどのくらいの応答性と容量があるんだろう。 元々需要の変動を吸収するために余力を持たせなきゃダメだし、 再生可能エネルギーの比率が増えれば増えるほど確保すべき余力が増える。

            東日本大震災の直後に、原発が停止したのに予告無しの突然停電を防いだのが揚水発電、水力発電です。相当な容量があります。翌日から計画停電になったのは、水を出し切ってしまったからですね。 すでにそのクラスにも耐えられるほどの出力があるので、再エネだけをことさら論って問題にするようなレベルではありませんし、追加はいりませんよ。

      • by Anonymous Coward

        いきなり需要がなくなって供給過剰になると供給電圧や周波数が上がってやっかいだろ

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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い

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