エクソシストも忙しいみたい。
インターネットの普及で、今や遠隔ビジネスは当たり前。みんながみんな同じ場所にいなくても、それぞれの家やカフェから、遠く離れた海の向こうの人と一緒に仕事ができます。このリモートワークという働き方、オフィス仕事だけじゃなくて、さまざまな業界が導入しています。まさかの、エクソシストもね。
先日バチカンで行なわれた悪魔祓いの講習にて、現代の悪魔祓いの姿が明らかになりました。かつてホラー映画で見た風景とは違い、最近は電話ごしにやることもあるんですって。「携帯電話を通してエクソシスムを行なう神父もいます。神のご加護により、これも可能なのです」そう語ったのは、アルバニア人のCardinal Ernest Simoni神父。Simoni神父は、信仰を反対され、長きにわたり収監されていたのですが、外にでてからは主にエクソシストとして活動しています。悪魔に取り憑かれた人がいると依頼者から電話があり、そのまま電話ごしにお祓いをするスタイル。
しかし電話でのエクソシスムは、何も楽したいから、昔ながらの方法が面倒だからというわけではありません。電話対応せざるを得ない事情があるのです。今の世の中、悪魔に取り憑かれてしまう人が急増し、物理的にそれぞれの家を訪れていたのでは間に合わないのです。イタリアではここ10年間で、50万人がエクソシストに依頼する状況にあり、ネタ元のTelegraghいわく、この10年で3倍にもなったんだとか。ニューヨークで活動するイギリス人のAnthony Barratt神父は、悪魔付き増加傾向について、インターネットの存在が影響しているとTelegraphの取材に回答。映画やテレビも影響あるものの、ネットによって悪魔に付け入られやすくなっているとのこと。
一方で、ローマにあるPontifical Regina Apostolorum大学にて、エクソシスムに関する授業を持つGiuseppe Ferrari教授は、電話ごしの悪魔祓いに懐疑的な声をあげています。「人々を落ち着かせるために電話ごしに祈るのでしょうが、実際にその場にいなければ、物理的な部分はコントロールできないでしょう」「電話でも効果ありと言うエクソシストもいますが、私はなんともいえないですね」。
対面でも電話でも、信じる者は救われるのです。
Image: Lazarenko Svetlana/Shutterstock.com
Source: Telegraph, Reuters
Melanie Ehrenkranz - Gizmodo US[原文]
(そうこ)