麻薬売人、WhatsAppで送った写真から指紋を解析されて逮捕

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  • author 岩田リョウコ
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麻薬売人、WhatsAppで送った写真から指紋を解析されて逮捕
Image: Gettyimages

ちょっとした証拠も現代の警察は見逃さないぜ。

ウェールズの警察がメッセンジャーアプリのWhatsAppにアップされた写真の指紋を解析して、麻薬密売人を逮捕したとBBCが伝えています。

サウス・ウェールズ警察は、ある逮捕された男の携帯電話を調べたところ、エクスタシー(MDMA)の錠剤を手のひらに乗せている写真を入手。写真に写っていた指紋を解析すると、ある密売人が捜査線上に浮かび、逮捕に至ったというわけです。

でも、バチっと一発で密売人を見つけたというわけではありません。この写真には、パッケージに入ったドラッグが大きく写っており、指については真ん中から下だけが写っていました。

ところが、この中途半端な指紋が手がかりになりました。警察はそれを指紋データベースと照合して指紋の持ち主を絞り込み、最終的にはWhatsApp上の会話を手がかりに証拠を裏付け、犯人にたどり着いたとのこと。

最後はマンパワーで何とかした感もなきにしもあらずですが、サウス・ウェールズ警察のDave ThomasさんはBBCに「麻薬密売人は、我々に捕まらないようにテクノロジーを駆使しますが、我々もその進歩に追いついていかなくてはいけません」と語っています。

ちなみに、私たちは指紋は一人一人違うと習って来ましたが、これが証明がされた科学的研究の査読は今までにないと、PBSは伝えています。というわけで、鑑識科学の団体では、指紋については「一人一人違う」や「個別」という言葉は使わないようにしているんだとか。指紋の確実性は100%ではないということですね。

また、指紋鑑定士が事前に聞いていた情報などによって、間違った指紋鑑定結果を出してしまうこともあるんだそう。2011年の調査で169人の指紋鑑定士に12例の指紋を鑑定してもらった例では、3%の鑑定士が偽陽性のミスをして、85%が偽陰性のミスをしたそうです(編注:偽陽性・偽陰性のミスとは、陰性・陽性のものを誤ってその反対だと判定してしまうこと)。

それはともかく、サウス・ウェールズ警察はこれからももっとテクノロジーを利用して犯人を逮捕して行きたいそうで、「20:30に強盗があったとして、すぐに証拠を掴み、20:45までに容疑者に家の前で帰ってくるのを待つような状況を作りたいです。証拠を現場でスキャンして、送信し、すぐにマッチングできるようにね」とThomas氏は話しています。



Image: Gettyimages
Source: BBC, NCBI

AJ Dellinger - Gizmodo US[原文
(岩田リョウコ)