ライフハッカーのゲストライターで、ノマドワーカーの早瀧正治です。フリーランスで翻訳・コピーライティング・オンラインマーケティングをしています。アメリカやイギリスなどの企業と取引し、先進国水準の収入を得ながら、東欧などの物価が安い国を転々とする生活を送っています。

この度は「海外で長期滞在するノマドワーカーならではのライフハック」をテーマに、持ち物、クレジットカードなどのお金の話、旅先での友達の作り方、安全に旅をするためのコツを4つの記事にわけて紹介します。前回は「持ち物」についての話をしました。

「海外旅行 クレジットカード」で検索すると、参考になる記事がたくさん見つかりますね。でも、「ノマドワーカー クレジットカード」で検索しても、全然ノマドと関係ない記事しか見つかりません。

そこで今回は、フリーランスや起業家のノマドワーカーになって、世界中で自由に働きたい人のために、銀行とクレジットカードの選び方を紹介します。

ノマドワーカーの銀行とクレジットカードの選び方のポイント

海外旅行用のクレジットカード・銀行口座選びは下の5つがポイントです。


  1. 海外のATMで現金の引き出しができる。
  2. 海外のATMで現金を引き出す時の為替マージンやレートと手数料が良い。
  3. いろいろな国で使える。
  4. 盗難・スキミング被害に対する補償がある。
  5. 海外旅行保険が付帯する

しかし、海外旅行者とノマドワーカーには以下の3つの違いがあります。

  1. 海外と取引する場合、日本円から外貨への両替だけでなく、外貨から日本円への両替もある。
  2. 帳簿を付ける。
  3. 経費と個人としての出費を分ける

そのため、ノマドワーカーは、海外旅行用のクレジットカード・銀行口座選びの5つのポイントに加えて、以下の5つのポイントを考慮しながら、銀行口座とクレジットカードの組み合わせを選びます。

  1. 被仕向送金手数料(海外から日本への送金受取手数料)が低い。
  2. 海外のクライアントが報酬を銀行振込する場合の、両替レートがいい。
  3. freeeなど、使用中の会計ソフトと銀行およびカードでの取引の同期ができる。
  4. 個人用と業務用のクレジットカード・銀行口座を使い分ける。
  5. 海外でも、ネットバンクのアカウントにアクセスできる。

これらの条件をすべて満たすカードはありません。また、盗難、紛失、スキミングのリスクを下げるために、銀行とクレジットカードは用途に合わせて複数持つのがおすすめです。

国内外での使用には、楽天銀行+楽天のマスターカード

クレジットカードのマージンはどこも1.6%前後ですが、カード会社の基準為替レートがわからないので、マージンを比較できません。そこで、ポイントが付く楽天カードがおすすめです。国民年金、所得税、コンタクトレンズなどの日用品、航空券、ホステル、Airbnbをクレジットカードで支払えば、けっこうポイントがたまります。

また、楽天は個人口座と個人事業主口座に分けることができるところも魅力的です。もちろん、freeeと連携しているので、わざわざレシートの数字を会計ソフトに手入力する必要もありません。

私のように、完全にリモートで働く人は旅を経費にはできませんが、写真家、海外ブロガー、バイヤーなどは、飛行機のチケットや現地での宿代を経費にできます。また、経理をきちんとしていれば、収入と支出を把握しやすくなります。

デビットカード(国際キャッシュカード)はソニー銀行が手数料が安い

デビットカード(国際キャッシュカード)為替手数料は、他社の手数料がだいたい3%前後なのに対し、ソニー銀行1.7%なので、ソニー銀行がおすすめ。あとは、イオン銀行とSBIも手数料が安いです。楽天銀行は約3%、新生銀行は約4%です。ソニー銀行のクレジットカードは、不正利用補償がついているため、万が一スキミングや盗難の被害にあった場合も安心です。

実際に、私はルーマニアでスキミング被害が発覚しました。ルーマニアに到着してすぐ、ソニー銀行から「ATMでお金をおろしました」というメールが複数きたので確認したところ、インドネシアで15万以上も不正に引き出されていたことが判明。でも、海外からの簡単な手続きですぐに全額補償されました。もちろん、freeeにも対応しています。ただし、外貨預金はfreeeと連携していないので、受け取ったらすぐに日本円に変えましょう。

海外送金受け取りなら、受取手数料が無料なソニー銀行がおすすめ

ソニー銀行と新生銀行は被仕向送金手数料無料です。他の銀行は1500円から2500円ほどかかります。新生銀行は海外のATMで引き出しするときに、4%の手数料がかかるので、ソニー銀行がおすすめです。

旅行なら、日数 / 90日のクレジットカードを持つべき

楽天銀行のクレジットカード、三井住友VISAクラシックカードなど、JCBカードなど、海外旅行保険が付帯するクレジットカードはたくさんあります。しかし、どこも90日しかカバーしてくれません。ところが、これには裏技があるのです。クレジットカードの海外旅行保険には、出国後90日ではなく、出国後に初めてそのクレジットカードで支払いをしてから90日間海外旅行保険が付帯するものがもあります。

つまり、2枚カードを持てば180日、3枚なら270日、4枚ならほぼ1年間、海外旅行保険を格安あるいは無料で利用できます。

売上の受け取りにはPaypalも使う

PayPalやクレジットカードで払いたいお客さんもいます。銀行振り込みにしか対応していないという理由でお客さんを逃すのはもったいないので、PayPalのアカウントは必ず作りましょう。また、PayPalはクレジットカード支払いの受け取りにも対応しています。PayPalは、日本円での取引はfreeeと連携しているので経理も楽です。

こんなのを調べるよりも、本業で稼ぐ

いろいろなカードと銀行の組み合わせをを比べましたが、実は防犯さえしっかりしていれば、手数料なんて大して気にする必要ありません。何時間もかけて最適な組み合わせを見つけても、3%節約できればいいほうです。そんなことより、駆け出しのフリーランサーなら、自分の事業に時間とお金を投資して、収入を増やすことに集中したほうが、時間のROI(投資利益率)がいいでしょう。

とはいえ、地方銀行だと外貨の受取手数料が2500円も取られた上に、為替マージンが高いことや、さらに「海外から送金があったのですが…」といちいち電話してくることもあるので、最低限のリサーチはしましょう。

銀行とカード会社に問い合わせして確認する

もっとも手っ取り早いリサーチ方法は、直接問い合わせることです。上記の通り、確認する項目が10個もあるので、ウェブサイトで調べるよりも電話で問い合わせてしまいましょう。


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Reference: 楽天カード, freee, ソニー銀行