この技術から「液体系ガジェット」とか誕生したりして...。
米エネルギー省のローレンス・バークレー国立研究所(Berkeley Lab)が新たに発見したのは、液体のなかに液体を流しこむ3Dプリント技術。Berkeley Labによると、液体は多様な形に固定したり、髪よりも細くしたり、また数mの長さにすることも可能だといいます。まずはどんなものか、ご覧ください。
研究者らは、すでこれまでにあった普通の3Dプリンターに、注射器のような細い針から水を噴出するシリンジポンプを装備。多くの3Dプリンターが2次元運動によってレイヤーを構築するところを、3次元パターンをつくるように改良しました。
今回の研究では、動画で示されている通り時間が経っても形状をキープできる液体構造をつくる方法が試案されました。シリコンオイルの液体のなかに水を流し込みますが、このままだと水の性質上、固まることはもちろんなく液滴になります。
そこで研究者たちは、水には小さな金ナノ粒子を、シリコンオイルにはポリマーリガンド(金属に結合する分子)を混ぜ合わせました。これにより水混合液がシリコンオイル中に注入されると、金ナノ粒子はポリマーリガンドと相互作用して、柔軟で伸縮自在な液体を創り出すことができるのです。
いまや3Dプリント技術は、製造業からファーストフード業界まであらゆる分野に新しい風を吹かせています。が、何年ものあいだこれといって画期的なプロダクトが出てきていないような…そんな気配を感じていた人もいるのでは。
バークレー国立研究所の研究者たちは、今回の技術で、新たに化学物質を構築するナノスケールの粒子から「3Dプリント液状デバイス」のように変形したり破損したりすることのない、フレキシブルで伸縮性のある電子機器を開発するのに役立つと考えているようです。
たとえば、地面に落ちても画面がバキバキに割れずにバウンドするiPhoneなんていいんじゃないかしら。
Image: Lawrence Berkeley National Lab
Source: Berkeley Lab via New Atlas, YouTube
Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)