うんこ。
正直、エイプリルフールのネタだと思ってスルーしていました。面白法人カヤックが4月2日からスタートしたオンライン講義サービス「UN高」のことです。
公式ページには「さまざまな業界のトップランナーを講師に迎え、彼らの仕事術やライフハック術をすべて「うんこ」に喩えて教わる、超新感覚のオンライン講義サービス」とあります。
ネタじゃなかった!「UN高」とは
講師陣のラインナップをみると、株式会社コルクの佐渡島庸平さん、建築家の谷尻誠さん、株式会社スマイルズの遠山正道さんといった第一線で活躍する方々の名前が。それが、みんなうんち、いえ、うんこ。
絶対こんなのウソでしょ。ウソと思うでしょ。でも、ウソじゃありませんでした。
ネタの日に、あえてネタっぽい企画を宣伝する。まず、誰もが思うであろう、なぜこんなことをしましたか? という素直な気持ちを、カヤック広報の金田さんにぶつけてみました。
今年のカヤックでは、エイプリルフール企画として、新聞広告やTVCM、屋外広告を大々的に露出しているかのように見える、ウソ広告画像やウソニュース画像を作成しTwitterなどで拡散しました。
見た人には「UN高とかウソだろwww」「へぇこんな変な広告をだしてるのか、カヤック」という感想から、ネタバラシによって「え!UN高じゃなくて広告自体がウソなのか!」「やられた。あの広告ウソだったのか…」のような反応・驚きを面白がってもらえればなと思い企画しました。
そのため、あえてウソっぽいUN高を題材として使用しました。
なるほど。「カヤックといえばエイプリルフールネタ」という思い込みを活用した叙述トリックということですね。
ちょっとコンテクストが複雑すぎて、現代アートかな?と思いました。
なぜ「うんこ」だったのか
「うんこかん字ドリル」のヒットもあり、世はうんこブームです。「UN高」は完全にこのブームに乗っかった形なのでしょうか? そもそも、なぜうんこだったのかを聞いてみました。
実は、カヤックでは2011年に「うんこ演算」というアプリをリリースしています。まさに「うんこかん字ドリル」と同じで、算数の問題を楽しく解くというコンセプトでした。
算数嫌いの人に算数を好きになってもらおうということで、京都大学数学科出身のプログラマがつくったアプリなのですが、「何個ですか?」という問いかけに「うんこ」と答えると正解になる問題もあります。
これらの経緯や、うんこが市民権を得てきたこともあり、満を持して「UN高」という学校をオープンしました。
そうすると、うんこブーム以前から「うんこ演算」でうんこコンテンツに取り組んでいたことですね。会社的にうんこに着目したきっかけなどはあったのでしょうか?
全く算数に興味が持てない子どもが身近にいて、それを面白く解決したいと思ったのがきっかけです。そこで社員でブレストして出てきたのが「子どもはうんこだったら何でも面白がれる、楽しくなれる」というアイデア。そこから「うんこ演算」ができました。
例えるものは、うんこ以外ではダメだったのでしょうか。
子どもにとって「うんこ」は魔法のことばです。普遍的であり100年後も通用するモチーフです。なのでうんこじゃないとダメでした。
では、どんな難解な概念でもうんこに例えることが可能なのでしょうか? なんだろう。「超ひも理論」だとか「シンギュラリティ」だとか…。
やってみないとわかりませんが、UN高の講義を作成する中で、先生方と講義内容をどうやってうんこに例えるかを考え続けた結果、なんでもいける!と今では思っています。
うんこに置ける信頼感がすごい!
うんこを漏らしたらどうするか
怒涛のうんこ推しで、実際の講義内容が気になるところだと思います。面白法人カヤック代表取締役でUN高校長・柳澤さんは『面白法人が20年かけて発見したブレストの効能(UN高バージョン) 』をテーマに講義を展開します。
その中で出てきたのが、うんこを漏らしちゃったらどうするか? という問いかけ。
「無人島レコード」もしくは「うんこ味のカレー or カレー味のうんこ」系の究極の選択ですが、そんな時にこそ、あなたのアイディア力は問われるかもしれません。
うんこを漏らしたら「泣きながら家に帰る」以外の選択肢が思いつかなかったなんて人は「UN高」に入学するのもひとつの手だと思います。
この講義、ブレストの進め方について悩んでいた筆者は普通にためになりました。
Image: Zamurovic Photography/Shutterstock.com(1, 2)
Source: UN高, 面白法人カヤック, amazon, うんこ演算(Google Play)