ライフハッカーのゲストライターで、ノマドワーカーの早瀧正治です。フリーランスで翻訳・コピーライティング・オンラインマーケティングをしています。アメリカやイギリスなどの企業と取引し、先進国水準の収入を得ながら、東欧などの物価が安い国を転々とする生活を送っています。

今回は「海外で長期滞在するノマドワーカーならではのライフハック」をテーマに、持ち物、クレジットカードなどのお金の話、 旅先での友達の作り方、 安全に旅をするためのコツを4つの記事にわけて紹介します。

私は、すでに10年近くヨーロッパを転々としていますが、幸いなことにそこまで危険な目にあっていません。一方で、何度もスリや盗難に遭う人もいます。私が、きちんと事前に滞在先について調べたり常に警戒しながら旅をしていることもあるでしょう。

これまで、 持ち物の話お金の話旅先での友達の作り方についてお伝えしてきましたが、最後のこの記事では、トラブルに巻き込まれないために現地入りする前に最低限調べておくことと、最低限注意したいことを紹介します。

滞在先で多い詐欺の手口を調べる

海外で多いトラブルは、詐欺スリです。詐欺は事前に手口を調べておき、NOと言う勇気さえあれば、簡単に防げます。

トルコのイスタンブールでは『靴磨き詐欺』、ウクライナでは『財布落とし詐欺』、中国では『お茶屋さん詐欺』など、国ごとに人気の詐欺の手口があります

イスタンブールの『靴磨き詐欺』とは、あなたの目の前を歩いている人が靴磨きのブラシなどを落とし、それを拾ってあげると「お礼に靴を磨かせてくれ」と言い、靴を磨き終えたら「1足5ドル」とお金を要求してくる詐欺です。

ウクライナの『財布落とし詐欺』の手口は以下の通りです。札束が入っている透明の袋が落ちています。あなたがそれに気づいたら、通行人がそれを見つけて「こっそり山分けしようぜ」とあなたに提案します。その後、持ち主が現われ、「おまえら、俺の金を持ってるだろ。財布を見せてみろ」などと言い、カバンをあさったり、あなたが財布を見せるとそれを持って逃げだしたりします。

こういった詐欺の手口は、『地球の歩き方』などのガイドブックに載っているほか、「ウクライナ 詐欺」や「キエフ 詐欺」で検索すると簡単に情報が見つかります。

キエフには3カ月いましたが、財布落とし詐欺を見たのは5回以上。トルコでも何度も詐欺を目撃しましたが、無視するだけでこういった詐欺トラブルは回避できます。

ATMはスキミング機械をとりつけにくい室内のATMを利用する

スキミング被害に遭うリスクを減らす一番の方法は、銀行内に設置されているATMだけを使うようにすることです。屋外のATMには、スキミング用の機械(カードの磁気データを読み取る機械と、暗証番号の入力を録画するカメラ)が取り付けられている可能性があります。一方で、銀行内のATMは、監視カメラも多いし、メンテナンスもしっかりしているのでより安全です。

非接触型ではなく、接触型のクレジットカードを使う

非接触型カードとは、SUICAやPASMOのように、スキャナーにかざすだけでカード情報を読み取れるカードです。接触型は、カードリーダーにしっかりと差し込まないとカード情報を読めないタイプのカードです。

ペイパスなどの非接触型のクレジットカードは、財布の中に入っていても、すれ違うだけでカード情報が盗まれる可能性があります。

クレジットカードで支払うときは、カードリーダーがレジにあることを確認する

クレジットカードの番号と、裏面の3ケタのセキュリティー番号さえあれば、オンラインで買い物ができます。

だから、クレジットカード決済はお客さんが見ている前でするのが当たり前なのですが、「クレジットカードリーダーはレジではなく、オフィスにある」と言って、クレジットカードを奥にもっていく人もいます。全く悪意はないのかもしれませんが、私たちにはそれを確認する術がありません。念のため、クレジットカードで支払うときは、レストランやお店に入る前に、レジの周りにクレジットカードの機械があるか確認しましょう。

ちなみに、クレジットカードの名義人と登録された住所が違ったり、オンラインショップに登録した名前と名義人が違ったりすると、不正利用と見なされることがあります。そのため、不正利用は簡単にできませんが、念のため警戒したほうがいいでしょう。

不正利用補償付きのカードを使い、利用差し止めの電話番号をメモする

犯罪と防犯はいたちごっこです。最新の防犯対策をしていても、運悪くカードやカード情報が盗まれることもあります。万が一に備えて、不正利用が発覚したらすぐに暗証番号の変更や、一時的な利用停止ができるように、サポートセンターの電話番号をメモして常に持ち歩きましょう。また、不正利用補償付きのカードを選びましょう。

知らない人についていかない

当たり前のことなのですができていない人が多いようです。旅先で友達を作って冒険をする話を自慢げに話す人って、けっこうたくさんいますよね。

どのような経緯で知り合ったかにもよりますが、フレンドリーに接してくる人には警戒しましょう。詐欺や強盗で済めばいいのですが、最悪の場合、誘拐そして人身売買や強姦殺人、強盗殺人の可能性もあります。

どうしても現地の人と交流したいなら、前回の記事で書いたように、CouchsurfingやInterpalsを使って、素性が知れている現地人にアプローチしましょう。

大使館の場所と電話番号をメモして持ち歩く

残念ながら、どんなにを気を付けてもいても、運が悪ければトラブルに巻き込まれます。万が一に備えて、現地の大使館警察消防救急車をいつでも呼べるように、電話番号と住所をメモしておきましょう。


「海外は危ないから行かないでおこう」とは思って欲しくありません。きちんと注意していれば、たいがいのトラブルは避けられます。危険な目に遭うと気分も台無しですし、ぜひ事前に最低限の注意を払ってから旅行を楽しんでください。


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