子どもにうまく会話をする方法を論じた書籍や論文はたくさんあり、ほとんどがいいアドバイスを提供しています。具体的にはこんな感じでしょうか。

  • 自分のことばかり話さないように
  • 積極的すぎても消極的過ぎてもダメ
  • 共感を示すこと
  • 方向性を示すこと
  • こちらも人間なんだということを示すこと

でも、「いつ」話すかは見逃されがちですが、これも重要です。子どもも大人と同じように、不安になったり用心深くなったりします。子どもの前に椅子をおいて座り、目を見て「さあ、楽しくおしゃべりしよう」と言っても、子どもは気まずい沈黙を返すだけです。作家であり家族関係のセラピストであるRon Taffelさんが「ながらトーク」と呼ぶ子どもとの話し方を、Times紙で次のように説明しています。

最近子どもとうまく会話できたときは、どんなときだったでしょうか。多分、散歩しながら、学校に送っていきながら、お菓子を一緒に焼きながら、お風呂に入れながら、子どもを寝かしつけながら、だったのではないでしょうか。こういうときは、親子は向かい合わず横並びになっているので、お互いに話しやすくなります。

誰かと話しをするときは、深く結びつくべきだと思う人が多いものですが、子どもは何かをしている最中のほうが心を開いて話してくれます。これを私は「ながらトーク」と呼んでいて、横並びですると効果があります。お互いに同じ方向を向いていると、本音が出ます。

よく映画で、2人が横並びに立って感謝祭の七面鳥の詰め物にするセロリを刻んでいるときや、打ちっぱなしのゴルフ練習場で同じ方向に向かってゴルフボールを打っているときに、一番深い会話をするシーンが出てきますが、これは現実にも当てはまります。私は、5歳の娘が一番正直な話をしてくれるのは、私と横並びに寝転んで一緒に天井を見つめているときだと気づきました。学校で友達と喧嘩したことを話してくれて、私のアドバイスを黙って聞いているんだなと感じられるのは、そういうときです。

子どもに無理に親と心を通わせるように仕向けることはできませんが、親は子どもに注意を払ってあげることはできます。いつも大人しい子どもが、一緒に散歩しているときは心を開いてくれると気づいたら、それを毎日の儀式にしましょう。

散歩中はiPadは持たないことにするのもいいことです。子どもが心を開いて話してくれる瞬間は思いがけなくやってくるものですが、子どもにその余地を与えるのは親のやり方次第です。


Image: altanaka/Shutterstock.com

Source: Times

Michelle Woo – lifehacker US[原文