フェイスブックの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグと仲間たちが発表した内容は、ほとんどすべてが「人々をひとつにまとめる」ことを狙ったものだった。
仮想現実(VR)だって? それは世界中の友だちとボードゲームのボグルで遊ぶためのものだ。「Messenger」? それはビジネスオーナーが顧客と連絡をとるためのツールだろう。
さらに、新たにFacebookでの出会いに特化したプラットフォームまである。そう、話題の「コネクションズ」だ。90分間の基調講演は、フェイスブックが自らのエコシステムを、よりソーシャルなものにしていくための方法で溢れていた。
さらに、セレブ犬として有名なポメラニアンのジフまで登場した。あれこれ多すぎるように思えるかもしれないし、実際にそうだといえる。下記にフェイスブックが開催した今年の開発者カンファレンス「F8」で発表された6つの重要なポイントを紹介しよう。
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Facebookがどこに向かうのか、ヒントが欲しければVRを知るといいだろう。今回、フェイスブックは「Oculus Go」のリリースによって未来への展望を現実にしてみせた。単体で機能するVRヘッドセットのOculus Goは、米国では199ドル(約22,000円)で5月1日(米国時間)から発売となる。この価格設定によってフェイスブックは、VRが簡単で手に入れやすく、直感的な操作ができることを証明しようとしている。
フェイスブックは、さらにサードパーティー製アプリとの統合が進むとしている。つまり自分のストーリーを、もっと多くの方法で演出できるということだ。Instagramは、Facebook のカメラエフェクトのプラットフォームも取り込み、アプリに新たな拡張現実(AR)の機能まで盛り込もうとしている。さらにエクスプローラータブのデザインを改め、Instagramの新しいコンテンツを見つけやすくするという。
** PHOTO:JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES**
何か忘れていないだろうか。そう、今回の「F8」はフェイスブックがユーザーのプライヴァシーをどのように扱い、いかにデータを収集するかに関する大論争のあとに開催された。これはまさに、われわれの民主主義の基盤を傷つけるものだ。
ザッカーバーグはこうした問題点を認め、ユーザーが自分の閲覧履歴を消去できる新機能を紹介した。ザッカーバーグは、Facebookがフェイクニュースとフェイクアカウントが拡散することを防ぐための取り組みを強化することも認めたが、具体策について多くは語らなかった。だが、詳しくはザッカーバーグとの独占インタヴュー[編註:公開予定]で読むことができる。
TEXT BY ARIELLE PARDES