ヨコにまいりま~す。レール上を走るエレベーター「MULTI」開発順調

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  • author たもり
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ヨコにまいりま~す。レール上を走るエレベーター「MULTI」開発順調

タテからヨコに切り替わるときのGを体感してみたい。

ドイツの鉄鋼会社ThyssenKrupp(ティッセンクルップ)が開発をした、上下だけでなく左右にも動くエレベーター「MULTI」。以前、マグレブテクノロジーが用いられたこの新型エレベーターについてお伝えしましたが、ついに昨年、このシステムをテストするためのタワーが完成していました。

これまで高層ビルを設計する際には、ビルの中心部分のおよそ4割をしめるエレベーターの昇降機を中心に考える必要がありました。

しかしMULTIは、そういった建築面での制約から解放されます。ケーブルを取り払いリニアモーターを採用したため、従来では考えられなかったビルの外側へのエレベーター設置や、隣接するビルにつながるような設置も可能に。

「エレベーターのコンセプトを改革し始めた」というだけあって、エレベーターにおける建築上の厄介さがとっぱらわれ、高層ビル設計における自由度は高くなります。

MULTIは高層ビルに設置されたエレベーターならではの問題点を解消するために、人々の効率的な輸送や待ち時間の短縮を実現させる意図で、上下左右に動くシステムを採用しました。ですがそれは、建築家が高層ビルを設計する際にエレベーターを念頭に置く必要がなくなり、もっと洗練されたデザインを追求できるようになると、いうことでもあります。

新種のエレベーターとして人力を推進力としたり、ペダルを漕いだりとエクササイズ指向を求める変わり種もありましたが、次世代エレベーターのカギは「左右に動く」自由さにあるのかもしれません。


Source: ThyssenKrupp via Wired, YouTube
Image: YouTube

(たもり)