ハンサムのおでこが「あっ」という間に半寒な毛量に。
グラフィック・デザインや写真・画像編集に欠かせないソフトといえばAdobe「Photoshop」。ほかにも動画編集ソフト「Cloak」などがありますが、今後これらはAdobe Senseiというディープ・ラーニング機能により、作業をある程度AI任せにすることで作業が格段に効率的になろうとしています。
ここにきて、グラフィックボードのメーカーNVIDIAも、負けじと人工知能の機械学習でとっても楽チンな画像編集を開発していることがわかりました。
美女の目元はバッチリとメイクした別人の目に入れ替えられ、「男性モデルの前髪はいらない!」と元画像を除去すると、カンタンに別のヘアスタイルにビフォー・アフターしてしまいました。老人男性の眉毛や顔のシワもガシガシ消していき、最後は目元が美女のオメメになるというオチまで用意されているとは……
これは従来フォトショップのスタンプ・ツールで、ほかの色やテキスチャーをコピーしていたような作業内容ですよね。でもこの新技術「イメージ・インペインティング」なら、元画像をチョチョイとマスキングするだけで、自然なテキスチャーで埋めてくれるのです。
かつては風景写真の中の要らない部分をチマチマと除去していたような作業だって、コレだと1箇所につき3秒って感じですかね。
NVIDIAの説明では、まずAIに5万5116個のランダムな形状のマスクで学習させ、その後に2万5000個の別のマスクでテストを行なっているとのこと。その際はマスクのサイズや形で6種類のパターンに分類しています。
AIの学習に使用されたのはV100というGPUと、cuDNNによってブーストされたPyTorchというディープ・ラーニングのフレームワークです。元画像となるデータベースは、ImageNet、Places2、CelebA-HQの3つ。
元画像にランダムなマスクで穴を開け、その埋め方を元画像と比較しながら学習させるわけですね。これにより、ユーザーが描いたマスク部分を、データベースから探してきた最適なピクセルで埋めることができるようになったのです。
今や動きのある映像も、一発でニコラス・ケイジの顔にすげ替えられる時代ですからね。AIの賢さに、全クリエイターがひれ伏す日は近いのかもしれません。
Image: YouTube
Source: YouTube via Laughing Squid, NVIDIA
(岡本玄介)