麻生太郎財務相兼副総理が、財務省の福田淳一・前事務次官のセクハラ問題について、役所の品位を傷つけたとしたが、「『セクハラ罪』という罪はない。殺人とか強制わいせつとは違う」と発言したために、批判の声が上がっている。
5月4日、訪問先のフィリピンでの記者会見で述べた。
麻生氏は、福田氏の辞任の理由について、国会審議への影響のほか、「役所に対しての迷惑とか、いろんな意味で品位を傷つけたとかいろいろな表現があるでしょうけれど、そういった意味であの種の処分をさせていただいた」と語った。
そして「セクハラ罪っていう罪はないですよね。殺人とか強制わいせつとは違いますから」と発言した。財務省は4月27日、福田氏のセクハラを認定して減給処分をしているが、その点には触れなかった。
女性社員がセクハラ被害に遭ったとしているテレビ朝日は、調査の継続を求めているが、麻生氏は次のように説明し、調査を打ち切る方針を改めて示した。
「1対1の会食のやりとりについて、財務省だけで詳細を把握していくことは不可能だ」「いくら(調査結果が)正確であったとしても偏った調査じゃないかと言われるわけですから。被害者保護の観点から(調査に)時間をかけるのは、かなり問題がある」
そして、「本人が否定している以上は裁判になったり、話し合いになったりということになる。ここから先はご本人の話だ」と今後は個人の問題になるとの考えを述べた。