レビュー

声優マネージャーの「声優」「マネージャー」「仕事論」を詰め込んだ書籍「声優をプロデュース。」は他の仕事にも通じる一冊


2018年4月27日(金)に星海社新書で刊行された「声優をプロデュース。」は、声優事務所マウスプロモーションで多くの声優さんのマネージメントを行った経験を持つ納谷僚介さんの著書。2017年10月に開催されたマチ★アソビ vol.19での「公開打ち合わせ」と「生執筆」イベントを経て無事出版を迎え、予定通り、マチ★アソビ vol.20では刊行記念イベントが開催されました。

声優をプロデュース。 (星海社新書) | 納谷 僚介 |本 | 通販 | Amazon


記念イベントが開催されたのは新町川東公園の川を挟んだ向かい側にある鳥羽ビル1階の「CYCLOPS」という店舗の跡。


vol.19のときのイベントでは整理券発行枚数は80枚でしたが、今回は会場が広くなったとのことで160枚発行されました。通常、整理券をもらってもスケジュールの都合などで来られなくなる人がいるものですが、本イベントでは他のイベントと掛け持ちしていた人が遅れる場面はあったものの、ほぼ満席状態となりました。

トークイベントに出演したのはライターの前田久さん、著者の納谷僚介さん、編集の平林緑萌さん。


前回のイベント時点ではいなかった前田さんが参加した理由は、納谷さんが多忙のため執筆時間が取れず、なんとか出版にこぎ着けるために前田さんが納谷さんの話を聞いて文章化するという作業を行ったから。ただし、前田さんが行ったのはあくまで「話し言葉の書き言葉への変換」などの部分だけで、内容は「納谷さん純度100%」とのこと。


無事完成してマチ★アソビ vol.20の開催前に出版された本のタイトルは「声優をプロデュース。」。帯には大塚明夫さんから「この本は『それでもあきらめない者達』にとって禁断の航海図となるだろう」、加隈亜衣さんから「悩んだり迷ったりするたび、牛丼の話に何度も助けられています。」とコメントが寄せられています。


本は「僕には夢があります。たぶん、一生叶わない夢。それは『後悔をなくすこと』です」という、黒地に白文字で書かれたまえがきから始まります。


目次前半はこんな感じ。マチ★アソビ vol.19で開催された公開打ち合わせイベントに参加した人なら「おお」と思うはずで、それもそのはず、イベント時に参考資料として配付されたレジュメに書かれていた「構成案」をほぼなぞる形になっているからです。


第1章は「『声優』ってなんですか?」。「1.『声優』ってどんな人?」「2.『声優』って『仕事』ですか?『職業』ですか?」「3.『職業』声優のやっかいなところ」「4.定食屋でうな丼を頼まれたらどうしますか?」「5.個性的な声優っていいますが……」の5つの見出しがつけられ、多くの人がイメージでしか知らないであろう「声優」というのがどういうものかを説明しています。


第2章は「『マネージャー』って楽しいの?」で、「1.『マネージャー』というお仕事」「2.黒いリンゴは売りやすい」「3.声優にドラマをつくる」「4.『マネージャー』はつらいよ」「5.それでも、僕は『マネージャー』」の5つに分けられていて、声優以上に実情が知られていない「声優のマネージャー」というものがどういう仕事なのかがわかる内容となっています。帯に書かれていた「『ゴリ押し』の何が悪いのか」はこの章に書かれています。


第3章は「声優のマネージャーが考える『仕事論』」で、「1.『好き』を仕事にしよう!」「2.『運』に頼らない生き方をしよう」に分かれます。「好きなことを仕事にすると辛い」という言葉を聞くこともありますが、仕事の中ではどうしても嫌なことは出て来るものであり、その「嫌なこと」で侵食される程度の「好き」なら働き続けることはできないというのが納谷さんの主張。


第4章は「『夢』と『目標』と『現実』と」。「声優」「マネージャー」「仕事」と来て、最後は人生について書かれています。


「声優のマネージャー」による本ということで暴露話を期待する人がいるかもしれませんが、そういった要素はまったくなく、大塚明夫さんや加隈亜衣さん、五十嵐裕美さんらの人物像や、自身がどういう考えでマネージメントを行ったのかということが記されていて、マネージャー育成の教本として使われそうな一冊です。

Amazon.co.jpで1冊税込1037円で購入可能ですが、マチ★アソビ vol.20のしんまちボードウォーク・マウスプロモーションパラソルでは、納谷さんの直筆サイン入り本が販売されているので、気になる人はぜひボードウォークへ足を運んで下さい。

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in レビュー,   取材, Posted by logc_nt

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