盾ではありません、カメラです。
アコースティックカメラというものを知っていますか?
一般的なカメラと同じように画像を撮影するカメラと、音がやってくる方向を特定する技術とを組み合わせて、2つの情報を合成できるようにした装置のことです。サーモグラフィーの“音版”とでもいう感じかな?
言葉で説明してもよくわからないので、音がどんな風に目に見えるのか、ひとまず動画を見てみましょう。
元となっているのはドローンが空を飛ぶ様子が映っている動画で、ここに見える化した音情報を重ねています。基本の色彩は白黒ですが、音が出ている部分にだけ色がつき、どこから音が出ているのかが一目でわかるようになっているのです。
それはわかったんだけど、でもこれ、何の役に立つの?と、お思いのあなた。心配はいりません。この技術は多くの場面で活躍しているのです。
主には企業が製品ノイズの原因を究明して改良をしたり、自動車などの輸送機器の静音化に活用されています。また、もっと身近な私たちの生活にも役立つのです。
たとえば、夜寝るとき、騒音がする。でもどこから音がやってくるのか分からない。そんな時はアコースティックカメラの出番です。この映像を見てください。
音がやってくる場所が見えるため、ふさぐべき隙間がわかるのです。すごい。
そんなアコースティックカメラですが、通常€100,000(約1320万円)以上のコストがかかるため、一般ユーザーの手には届きにくいものでした。
ところがこれまでと同じ技術で格段に安いアコースティックカメラ「SOUNDCAM」が、KICKSTARTERに登場しました。従来より軽く、持ち運びもできちゃいます。先ほど紹介した2つの動画も、このSOUNDCAMで撮影したものです。
SOUNDCAMは現在€4,399(58万5,463円)から出資ができます。安いかどうかは私にはよくわかりませんが、これさえあれば、誰にも邪魔されない平穏で穏やかな生活を送れるかも。
Image: KICKSTARTER
Source: KICKSTARTER
Reference: 東陽テクニカ, 株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング
(岩沢みどり)