料理をしない方でも耳にしていたであろう、野菜の価格高騰。ここ数か月続いていましたが、ようやく落ち着きを見せています。

ひとり暮らしだと、お肉中心の食生活になりがちですが、せっかく安くなってきたのだから野菜も食べるべきです。そこで、焼肉を野菜で巻いて食べてみるのはいかがでしょうか。

焼肉屋さんでは一般的な食べ方ですよね。お肉を食べたいという欲求を満たしつつ、野菜で栄養を補えるのだから、一石二鳥です。

ただ、野菜の価格は安定してきたとはいえ、激安というわけではないですから、大事に食べたいところです。焼肉を巻くにしても、最高の状態で食べたいもの。

ということで今回は、「焼肉を巻くとおいしい葉ものランキング」をご紹介します。

lettuce
Photo: 大崎えりや

用意したのは、この9種類。見てください、緑鮮やかな野菜たち。“葉もの”とひと言でいっても、こんなに種類があるんですね。

左上から時計回りに、玉レタス、サニーレタス、リーフレタス、フリルレタス、ロメインレタス、サンチュ、サラダ菜、えごま、大葉となっています。用意したタレは、スーパーで手に入る『黄金の味中辛(エバラ)』。

どの葉ものも、形も違えば、味も違います。焼肉を巻いて食べるとなると、定番はサンチュでしょうが、サンチュ以上に焼肉との相性がいいものはあるのでしょうか。

選定員は、料理研究家のオガワチエコ、アシスタントの千葉あゆみ、料理カメラマンの大崎えりやの3名。腹を空かせた女子たちの、獰猛な胃袋を満たすのは果たしてどれか?

第9位:ロメインレタス

romaine
Photo: 大崎えりや

ちょっと変わった縦長の形状。ときに、ラグビーボールに例えられることもあります。お肉をのせるだけで、自然と包まれるような形になるので手間いらずという利点もありましたが、結果は最下位。

千葉:「苦みが強いせいで、せっかくのお肉の香りが消えてしまう」

オガワ:「繊維が強くて、口のなかにしばらく残ってしまう。食べてると虫になった気分。ロメインレタスは火を通したほうがおいしい

大崎:「クセが強い……。タレの味に助けられてる感じがします」

第8位:サニーレタス

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Photo: 大崎えりや

大きめの葉っぱに、紫がかった部分があるのが特徴。大きいだけに巻きがいはあるものの、味の評価はイマイチとなってしまいました。

オガワ:「葉が柔らかくて食べやすいけど、青臭さがちょっと気になる」

大崎:「確かに、お肉好きの人には邪魔になる青臭さかも。これなら巻かないほうが……」

千葉:「葉が大きくて巻きやすいぶん、ボリューム感は出るかもね」

第7位:サラダ菜

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Photo: 大崎えりや

見た目はふんわりとしていて、柔らかそう。しかし、やや厚みがあるのが気になるところ。試してみても、やはりお肉を巻くのに相応しい葉ものとは言えないようでした。

オガワ:「最初の口当たりがイマイチ。葉っぱが厚いせいでモソモソしてしまう」

千葉:「ふわふわっとした食感に違和感があるけど、噛んでるうちに気にならなくなってくる」

大崎:「微妙な苦みがあって食感も良くないから、やっぱり必要ないかも……」

第6位:大葉

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Photo: 大崎えりや

薄くてサイズも小さいので、巻いているというよりは添えているという感じに。シソの風味や爽やかな香りが加わって高評価になるかと思いきや、伸び悩みました。

千葉:「ちょっと香りが強すぎる。お肉が完全に負けてしまっている」

大崎:「大葉の味に殺菌作用を感じる。食べものが傷みやすい夏にいいかも」

オガワ:「牛肉よりも、豚肉のほうが合いそう。あまり高級なお肉じゃないほうがいいのかも」

第5位:リーフレタス

leaf
Photo: 大崎えりや

葉が薄くて柔らかく、お肉を優しく包み込みます。主張もそれほど強くなく、自然な仕上がりでしたが、第5位という平凡な結果に……。

大崎:「このなかで一番柔らかい。自然な感じで悪くない」

オガワ:「苦みはそれほど気にならないけど、ちょっとボソボソっとした感じがあるかな……」

千葉:「可もなく不可もない。あったら巻けばいいけど、わざわざ買う必要はないかも」

第4位:フリルレタス

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Photo: 大崎えりや

サイズが小さく、ちょうどお肉と同じくらい。葉先がギザギザで、まさにフリルのよう。見た目の可愛らしさもあり、上位に食い込みました。

オガワ:「大きい葉っぱを食べたくない人にはいいかも。千切る手間も少ないので使いやすい」

千葉:「巻いているというよりは、のせてる感じ。もうちょっと巻きごたえが欲しいなぁ」

大崎:「大きさも丁度いいし、シャキシャキッとした歯ごたえが心地いい」

第3位:サンチュ

sanchu
Photo: 大崎えりや

焼肉の定番サンチュが、第3位にノミネート。形状が平面で、いかにも具材を包みやすそう。サイズもまた絶妙。まさに、お肉を包むための葉ものと言えるでしょう。

千葉:「ほかの葉ものがクセが強いものが多かったから、ちょっと物足りない感じもするけど……。やっぱりおいしい」

大崎:「当たり障りがない。そのぶん、いつまで食べてても飽きがこなさそう

オガワ:「葉が薄いし存在感もそれほどないから、ごはんと一緒でも食べやすい。キムチやチャンジャを一緒に巻きたくなる」

第2位:玉レタス

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Photo: 大崎えりや

丸みを帯び、お肉を自然な形で包み込みます。見た目にやや家畜のエサ感があるような気がしますが、食べれば美味。やっぱり玉レタスは万能でした。

大崎:「いい意味でオーソドックス。こういうメニューとして出されても違和感はない」

オガワ:「パリッとした食感がいい。お肉の弾力とも良く合う。お肉との相性の良さからハンバーガーに入っているのも頷ける」

千葉:「噛むとシャキシャキした食感があって、すごくみずみずしい。苦みもないし食べやすい」

第1位:えごま

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Photo: 大崎えりや

定番のサンチュ、王道の玉レタスをおさえ、第1位となったのが、えごま。サイズも大きすぎず小さすぎず、お肉を巻くのにちょうどいい。また、大葉の仲間であるものの、そこまで風味が強くないのが焼肉との相性の良さにつながったようです。

千葉:「大葉ほどクセがなくて食べやすい。ほどよい香りがいい」

オガワ:「多少風味の強さがあるけど、噛んでいるうちにお肉の味と融合してくる。お肉の味を引き立ててくれる

大崎:「少し筋張ってて口になかに残るけどおいしい。韓国ではこれが主流……と言われたら信じてしまいそう」

ということで、堂々の第1位に輝いたのは「えごま」となりました。

焼肉を最高の状態で食べたい。そういうときはぜひ、ランキング上位のものをお試しください。

ちなみに、今回のタレの味は中辛を使いましたが、辛口や甘口といったタイプを使うと、若干相性も変わるかもしれません。

みんなで集まるような場で、お肉といろんな葉ものを用意して、手巻き寿司感覚で楽しむのもよさそうですね。ヘルシーで爽やかなひとときをどうぞ。

レシピ・文オガワチエコ

料理研究家。ル・コルドン・ブルー、東京會舘クッキングスクールで料理と製菓を学ぶ。著書に『彼の家に作りに行きたい!純愛ごはん』(セブン&アイ出版)、『おにぎらずの本』(泰文堂)など。道具も調味料もない彼の家で、いかに間単に失敗なく美味しい料理を振舞うかに特化したレシピ本になっている。2015年9月11日には新刊『スティックオープンサンドの本』を出版。

Photo: 大崎えりや