腕に秘書。
Google(グーグル)が自社のスマートウォッチ用OSの名前をAndroid WearからWear OSに変えた時、私は怒っていました。別に新名が気に入らなかったとかいうわけではなく、新機能が全く発表されなかったからです(Wear OSという名前はiPhoneにも対応している状態を反映できていて良いと思います)。
じゃあなんで名前変えたの? ただの印象変え? タイミングが悪かっただけ? いろんなシナリオが脳裏を駆け巡りましたが、どうやら杞憂に終わってくれそう。今回のGoogle I/O 2018に参加して次バージョンのWear OSプレビューに触れて見てみたら、Googleのしっかりとした舵取りが実感できたからです。
そもそもWear OSは今、ルイ・ヴィトンやモバードなどのファッションブランドである程度の成功を見せています。そこにシックなダークモードUIと強力なGoogle アシスタント機能が加わることで、Apple WatchやFitbitとは一味違うスマートウォッチに仕上がりそうな雰囲気を醸し出しています。
これまでのWear OSのアシスタントは、せいぜい質問に答えてくれるくらいの機能しかありませんでした。が、新しいWear OSのアシスタントは質問に答えたのち、的確なサジェスチョンを示してくれるようになっています。たとえば天気について聞いたらば、合わせて今後5日分の天気予報も表示してくれちゃうのです。航空チケットについて聞けば、チェックイン時間や預け・手荷物のルール、そして乗り継ぎ便などの情報がボタンとして現れます。これは便利ですよね。
そしてアシスタントの進化はサジェスチョンにとどまらず、様々なアクションが可能になっています。ロボット掃除機を起動したり、電車の時刻表を確認したり、株価のチェックなんかもできちゃうぞ。それも、スマートウォッチ単体で。
腕に視線を向けられないくらい忙しいユーザーも想定して、音声で情報を伝えてくる機能も備わっています。ちなみに音声の出力はBluetoothヘッドホンか、スマートウォッチ本体のスピーカー(搭載されていれば)になります。
なんだかもう、腕に秘書がいるような感じ。
今後の展開についてGoogleの代表者たちはあまり語りたがりませんでしたが、Google I/Oで話しかけたWear OSの担当チームは「今後数ヶ月以内にフィットネス・ヘルストラッキングとバッテリー性能が向上するかもよ」と言っていました。うんうん、良いと思います。
それにLGから丸型のかっこいいスマートウォッチの噂も出ていますし、Wear OSの未来は明るそう!
Photo: Sam Rutherford
Reference: 9to5Google
Sam Rutherford - Gizmodo US[原文]
(西谷茂リチャード)