空気が読めるとはこのこと。
セッションは人と人がやってはじめてエネルギーが宿るもの。しかし、人の演奏を理解し、最高の伴奏を合わせてくれるAIがいたとしたらどうでしょうか。
そんなことをやってのけるのが、ヤマハと博報堂アイ・スタジオが共同開発したピアノを使ったシステム「Duet with YOO(デュエットウィズユー)」。今年のSXSWでも展示されていた体験型のインスタレーションで、プレイヤー(You)の演奏に合わせて、AI(YOO)が協奏してくれるというものです。
ピアノにはスクリーンが投映され(これがもうカッコいい)、流れてくる譜面通りに「きらきら星」を弾くと伴奏が自動生成されています。この伴奏も決まりきったものでなく、プレイヤーの弾く鍵盤の強さやデュレーション(音が鳴っている時間)によって逐一変化するんです。例えばスタッカート気味に弾くと、伴奏も跳ねた感じにしてくれるんですね。聞こえ方も自然だし、すごい!
YOOにはヤマハが開発した 「AI Music Ensemble System(人工知能合奏システム)」が搭載されています。これはリアルタイムに演奏を解析し、どんな弾き方やタイミングで伴奏すれば調和がとれるかを予測・実行するというもの。いわばプレイヤーのノリをめっちゃ汲み取ってくれるパートナーのようなものです。
こちらのお姉さんは途中からテンポを上げて演奏していますが、伴奏もしっかりついてきてます。自動演奏と人の同期といえば、平坦に進む自動演奏に人が合わせるのが主流でしたから、この柔軟さがまずすごい。本当に人と弾いてるみたいに聞こえます。
解析がもっと高解像度になって、テンポやベロシティ以外にもさまざまな要素から予測できるようになれば、適当な演奏にもプロ級の伴奏が付いちゃうのかなぁ。目と目で通じ合うのがセッションの醍醐味ですけど、AIは演算によって奏者の欲しいポイントを突いてくる。ぼっち演奏も楽しくなるぞこれからは。
Duet with YOOは、2018年5月22日(火)まで、ヤマハ銀座ビルイベントスペース1F/ポータルにて体験できます。銀座にお立ち寄りの際は、ぜひ。
Image: YouTube
Source: Yamaha AI Project YOO, YouTube(1, 2)
(ヤマダユウス型)