我が子にクレジットカードを持たせることについては、さまざまなアドバイスが飛び交っています。「金利の低いカードがいい」とか、「親の信用情報に傷がつきかねないから連帯保証人になってはいけない」とか、「カードとはいえお金であり、期日までに全額を支払う義務があることをしっかり教えるべき」などです。

しかし、金銭教育に関する書籍『Make Your Kid A Money Genius (Even If You’re Not)』の著者Beth Kobliner氏は、この件に関して保護者に別の助言をしています。それは、「クレジットカードを子どもに持たせてはいけない」というもの。アメリカ公共放送PBSの報道番組「PBS News Hour」の中で同氏は、子どもには現金のみを与えるのが一番だと指摘しています:

日常生活の中でお金の価値を子どもに教えるなら、現金を与えるのがベストです。子どもに対しては現金を使ってください。

私の娘は13歳のとき、新学期用の服を友だちと買いに行きたいと言いました。ほかの親は子どもにクレジットカードかデビットカードを持たせ、使っていい限度額を言い渡しました。いっぽう私は、娘にしてみれば恥ずかしいことですが、50ドルを渡しました……現金で。なぜなら、娘が50ドル以上の商品を持ってレジに行けば、厳しい決断を迫られ、何かを諦めなくてはならないからです。

プラスチック製のカードと違い、現金を使えば、お金が無限ではないことを子どもたちは学びます。マサチューセッツ工科大学(MIT)の有名な研究から、現金でなくクレジットカードを使うと、人は同じ商品に2倍の金額を支払う傾向のあることが明らかになっています。プラスチックのカードはおもちゃのお金のように思えるかもしれませんが、現金はまさにお金そのものだと感じられるのです。

ちょっと時代遅れのアドバイスのように聞こえるかもしれません。この時代に現金を持ち歩く人などいるでしょうか? けれども、金銭感覚を身につけ始めたばかりの人は、本物の現金にじかに触れることで、自分が使っているそのお金は労力と引き換えに得られたものだという認識を得られます。

私自身は12歳か13歳のとき、水着が欲しくてせっせとお金を貯めました。そして、そのお札や硬貨を使ってショッピングモールで水着を買ったときに、とても誇らしく感じたことを覚えています。今思うと、店の人はお金を数えるのがさぞかし面倒だったでしょう。けれども、あのときの本物のお金のやりとりは、意義のある印象深い経験でした。

Kobliner氏はまた、子どもたちの前で現金を使ってみせて、お金には限りがあり、常に選択が求められることを示すよう勧めています。一見すると魔法のようなプラスチック製のカードばかり使っていては、そうしたことを教えるのは難しいでしょう。

Michelle Woo - Lifehacker US[原文

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