レトロフューチャーなイメージはどうやって生まれたの?
NASAのアーティストたちがかつて思い描いた未来の姿は、現在におけるレトロフューチャーの礎となりました。現在、クラウドファンディングサイトIndieGoGoで資金を調達中の『Artist Depiction』は、NASAのアーティストと彼らが「かつて夢見た未来像」に焦点を当てたドキュメンタリー・シリーズです。
『Artist Depiction』の監督を務めるのは、かつてのNASAアーティストたちが予想した未来像に魅了されているブレット・ライアン・ボノーウィッチュ。本作ではフューチャリズムと宇宙旅行のスタイルに多大な影響を与えたドン・デイビス、チャールズ・リンゼーそしてリック・ギディスら3人のアーティストの作品について学ぶとともに、彼らの舞台裏に迫ります。1話ずつ、各アーティストにフォーカスする3話構成のシリーズになる予定なんだそう。
ボノーウィッチュ監督は1958年から1963年にかけて連載されていた、画期的な日曜版のコミックストリップ『Closer Than We Think』を題材にした同名のドキュメンタリー映画を制作したばかり。作品は5月4日にもSCI-FI-LONDON Film Festivalで上映されています。しかし、ボノーウィッチュは本作に対し、これまでにないほど情熱を注ぐのだそう。
なぜ2018年にもなって、NASAのアーティストたちが描いたアートワークが重要なのか? それはこういった昔ながらの宇宙コロニーのイメージが今現在でも「未来」を表すのに使われているだけでなく、後世の多くのデザイナーたちに影響を与えたからだとボノーウィッチュは説明します。
ニール・ブロムカンプと『エリジウム』しかり、クリストファー・ノーランと『インターステラー』しかり。今も、「この作品は彼らのイラストに登場した宇宙服の人々に影響を受けている」という人はほとんど毎日のようにいるのです
このように、ボノーウィッチュはメールで教えてくれました。
ジェラード・オニールによるこういったコロニーの原案を描写するアーティストたちから直接インタビューを得るのは大事なこと。こういった撮影がなければ、そのような話は失われてしまう
同プロジェクトはすでに目標額の5,000ドル(約55万円)を超える資金集めに成功しています。ボノーウィッチュはいくつかのインタビューへの資金提供のためすでに自腹を切っており、クラウドファンディングの資金はアートワークの高画質スキャンや録音、そのほかの編集作業のニーズに費やされます。
IndieGoGoでは、ドキュメンタリーのリリース時にシリーズから1話のみ、全3話もしくは宇宙コロニーのポスター付きなど支援額に応じたパックを用意しています。うーんと高額の投資をすれば、映画のプロデューサーとしてクレジットに名を連ねる権利ももらえるとか。彼は以下のようにコメントしています。
このキャンペーンが始まってから、2018年の12月に全3話をお披露目するべく映画祭に招待された。
ストリーミングでは2019年1月にリリースするつもりだ
しかしなぜ、『Closer Than We Think』のドキュメンタリーのように1本の映画ではなく3話構成なんでしょうか? ボノーウィッチュはこのようにいっています。
我々がもし1本の映画を作ったとしたら、時間の制約や編集のトランジションのせいで、作業を進めていくにつれ、大部分が失われてしまう。
このシリーズを3本の小さな作品に分割すれば、アーティストと彼ら個人の物語に本当にフォーカスできるようになる。
それに、後日インタビューを追加してこのシリーズを続けられるようになるので、そうすることにワクワクしている。第2シリーズがあるとしたら、たとえばSF小説のカバーを描いたアーティストのことになるかも…NASAのアートだけに縛られはしないよ
このプロジェクトについての短い動画はVimeoで公開中。IndieGoGoでエピソードを先行予約もできますよ。
Image: IndieGoGo, Vimeo
Source: IndieGoGo, Charles Lindsay, SCI-FI-LONDON Film Festival
Matt Novak - Gizmodo paleofuture[原文]
(たもり)