メモ

あなたがお金を増やせない理由を心理学的に説明するとこうなる、お金をためるにはどうすればいいのか?

by Fabian Blank

「お金をためたい」と心から思っているはずなのにお金がたまらずむしろどんどん減っていく……ということを経験している人も多いはず。なぜ人はお金の管理を苦手とするのか?ということには、多くの心理学的要素が絡んでいます。心理学的要因から自分がどのような行動を取ってしまうのかということを理解すれば、少しはお金の管理がうまくなるはず……ということで、経済関連の記者であるEshe Nelson氏が行動経済学から見た人の行動を5つに分けて解説しています。

Manage your money better with these tips from behavioral economics — Quartz
https://qz.com/1264033/all-the-human-flaws-and-biases-that-prevent-you-from-managing-money-properly/

◆1:現在バイアス

by Ales Krivec

人は「現在」に重きを置きすぎる傾向があり、「動学的不整合性」という状態をしばしば招いてしまいます。動学的不整合性とは時間の経過とともにインセンティブが変化し初期時点で想定した行動が取れなくなり、目標が達成できなくなることをいいます。

1960年代から1970年代にかけて実施されたマシュマロ実験では、「子どもにマシュマロを与えて『もしこのマシュマロを大人がやってくるまで食べないでいられたら、もう1つマシュマロをもらえる』ということを伝えると、子どもは『2つのマシュマロを食べたい』と考えていても、大人が帰ってくるのを待ちきれずにマシュマロを食べてしまう」ということが示されました。

大人でも同様のことが起こります。「将来のためにお金をためよう」と考えても、「今」に重きを置いていると、「今居心地が悪い」ということでお金を使ってしまい「明日から貯金しよう」と考えてしまうもの。1つ目標を掲げたら、時間が計画したからといってその決断を変えるべきではないのに、です。


コロンビア・ビジネススクールのStephan Meier教授は研究で、クレジットカードの負債が積み重なること、債務不履行、クレジットスコアの低さと「現在バイアス」に因果関係があることを示しており、2010年の論文で、「現在バイアスが大きな人は、そうでない人に比べて約2倍の負債残高を有している」ということを述べています。

◆2:計画者と行為者

by Nik MacMillan

現在バイアスによって、人は「将来のための思慮ある計画」と「即時の満足が得られる選択」に悩まされることになります。これは「計画者と行為者の問題」と言い換えることができ、ノーベル経済学賞を受賞したRichard Thaler氏は「行動経済学の逆襲」の中で「多くの人はこの問題について認識しつつも深刻さを過小評価している」と述べています。

この問題を解決するためには、「計画」の時点で選択肢を減らすことが役立ちます。例えば、お金をためるという計画を立てたであれば、貯金箱を分けておけば、出どころが断たれるために無駄使いは減るはず。このように、お金に対して意志決定を行う時に総合的な判断を行うだけでなく狭いフレームの中で判断してしまうことを「メンタルアカウンティング(心の家計簿)」と呼びます。現実的には1つの貯金箱の資金がつきたら別の貯金箱からお金を取り出せばいいのですが、メンタルアカウンティングというバイアスが存在するために、人は無駄使いを減らすわけです。

◆3:統合リスクマネジメントの混乱

by rawpixel

「統合リスクマネジメントの混乱」をシンプルに言い換えると、「人々は混乱している」ということとのこと。金融商品は複雑化しており、法律を専門的に学んだ人でないと文書を理解できないまでになっています。金融市場は特に消費者が間違いを犯しやすく、それによって多くの企業が利益を上げています。これは、金融市場は複雑であることに加え、1つの選択の影響が未来にまで及ぶこと、そして企業が消費者を教育する気はさらさらないことなどがその原因です。専門家ではない限り、お金に関しては自信を持ちすぎないこと、アドバイスを求めることが推奨されています。

◆4:現状維持バイアス

by Doran Erickson

アドバイスを求めるには、惰性を乗り越える必要があります。多くの人は、わずかなコストで大きな利益が得られるとしても、現状維持にとどまってしまうもの。アメリカでは確定拠出年金制度への非加入という意思表示をしない限り、自動的に加入者となるという仕組みが取られ、確定拠出年金制度の加入促進が図られました。これは現状維持バイアスを利用したもの。

確定拠出年金制度への加入について「何もしない」という選択をすれば、高い手数料がかかり、安全な投資が行われ、追加出資の収益はゆっくりと蓄積します。この時、もし人が現状維持バイアスについて認識して、それを乗り越えようと行動すれば、自分の罪的の中のリスク要因について再考し、手数料を安くすることができたとのこと。

◆5:損失回避とアンカリング

by Jonathan Brinkhorst

人は同じ額であっても得るお金よりも損したお金の方に2倍も強い感情を抱きます。このことから、人は1万円を得ることよりも1万円を損しないことに、より多くの労力を割きます。

これとよく似ているのが「アンカリング」という認知バイアス。人が何かを売る時に基準とする価格は「購入する時に払った額」になります。たとえそのアイテムの価値が購入額よりずっと低くとも、当人の感覚は購入額でアンカリング(いかりで留める)されているので、購入額よりも低い価格で売ることができなくなります。株についても同様のことが起こり、株の価格が低くなって売るべきタイミングでも、購入額で売るチャンスを逃した場合、人は株を売ることができなくなることがあるとのこと。さらに、損失を避けたがるばかりにリスクのある決断で損失を埋めようとすることもあるそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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