年内にクアルコムからWear OS専用チップ登場? スマートウォッチの劇的進化を期待

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  • author 湯木進悟
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年内にクアルコムからWear OS専用チップ登場? スマートウォッチの劇的進化を期待
Image: Ivan Garcia/Shutterstock.com

待ってました!

スマートフォンならiPhoneとAndroidスマホの二択が当たり前であるように、スマートウォッチだってApple WatchAndroid Wearモデルを選びたい…。きっと誰もがそう願っていたはずです。でも実際には、あまりAndroid Wearを搭載するスマートウォッチは盛りあがらず、ネーミングだけWear OSに改変されました。今後一体どうなるんでしょ?

そんなモヤモヤを抱えながら船出したWear OSですけど、どうやら劇的な進化が目前に迫っているようです。Wareableが伝えたところでは、なんとQualcomm(クアルコム)から新たにWear OS向けに作られた新チップが、今年後半に正式リリースされる予定なのだそうです。AppleがApple Watch向けに専用チップを用意してユーザーエクスペリエンスを向上させたように、ついにWear OSでも完成度の高いモデルが続々と登場しそうな予感。非常に楽しみな展開が期待されますよ~。

スマートウォッチエクスペリエンスにおいて、まったく妥協することのない専用チップが1から設計された。目に触れていないときも美しい外観で、最高のフィットネスデバイスおよび腕時計としての使い心地を実現し、バッテリー寿命が向上することになるだろう。

Qualcommのウェアラブル部門シニアディレクターのPankaj Kediaさんはこのように語っています。実はAndroid Wearの初期から、Qualcommはスマートウォッチ向けのチップを提供してきました。しかしながら、初代チップのSnapdragon 400プロセッサーは、スマートフォン向けの設計を少しいじっただけのものです。その後、Snapdragon Wear 2100プロセッサーも提供されてはいたものの、28nmプロセスで製造されており、スペックの時代遅れ感は否めませんでした。とはいえKediaさんによると、2年前にSnapdragon Wear 2100が世に出た後も、QualcommとGoogleは共同でスマートウォッチ専用チップの開発にずっと努めてきたんですね。

年内にメーカー向けの提供が開始され、年末のクリスマス商戦には新たな専用チップを採用する数々の魅力的な新製品群が出そろうことが期待されています。

いまだ詳細は謎に包まれているものの、Kediaさんの発言からこれまでWear OSが抱えていた課題の解消も期待できそう。まずは、バッテリー寿命の向上によってあまり充電を気にせず使い続けられるスマートウォッチが誕生するかもしれません。低消費電力設計によって、よりフィットネスやヘルスケアセンサーに電力を使うことができるようになり、さらに高度な測定を可能にするでしょう。さらに非操作時もディスプレイを点灯して、普通の時計らしく使える仕様になっていきそう。もっとデザイン性を重視したスマートウォッチの登場に道が開かれるかもしれません。

なお、新チップの仕様としては、BluetoothおよびWi-Fi通信規格がデフォルトで装備されることになりそうです。GPSはオプションで、当然ながら単体でLTE通信機能を備えたモデルも用意されるでしょう。システムの最適化によって、もっと女性が腕につけやすい、いわゆるゴツくないコンパクトデザインのスマートウォッチも多数登場してくるかも!

再びスマートウォッチ市場が伸びていくためにも、今後のWear OS陣営の発展には注目しておきたいところです。


Image: Ivan Garcia/Shutterstock.com
Source: Wareable

(湯木進悟)