タッチスクリーンは多くの人にとって、デジタル上でやり取りをする際の主な手段となりました。けれども、視覚障害のある人たちにとっては優れた方法ではありません。スマートフォンのディスプレイは小さく、正確なタッチが求められますし、しばらく使っていないと画面が消えてしまうので、視力に問題がある人は使うのが難しいのです。このような場合は、スマートスピーカーのほうがずっと役に立つのではないでしょうか。

Ian Bogost氏は、The Atlanticに寄せた心温まるエッセイの中で、盲目の父親にAmazonのスマートスピーカー「Echo」の使い方を教えたときのことを綴っています。新しい技術を学ぶときはいつもそうであるように、父親もはじめのうちは少してこずっていましたが、やがて(Echoに搭載されたAIアシスタントの)「Alexa」に、スポーツの試合のスコアや最新の株式市況を質問するようになります。また、ボイスメッセージ機能を使って息子とコミュニケーションを取り、Echoを持っている友人ともやり取りをはじめます。

Bogost氏は次のように書いています:

Alexaが父に、役立つ情報やスムーズなコミュニケーション手段を提供しているかどうかは、あまり重要ではありません。Alexaはもっと重要な仕事をしています。つまり、父が最新の方法で人や考え方とつながるきっかけを与えてくれているのです。充実した生活を送るというのは、目や耳で感じるだけにとどまらない体験をするという意味です。最先端のテクノロジーを使い、そうしたテクノロジーにしか提供できない喜びや失敗を通して世界を見ることでもあります。

私の祖父も、人生のほとんどを視覚障害と共に生きた人でした。亡くなったのは数年前の夏ですが、AmazonのEchoはそのころ、まだ発表さえされていませんでした。祖父が生きていたとしても、スマートスピーカーにはあまり興味を持たなかったのではないかと思います。でも、視覚障害を持つ人の多くにとって、スマートスピーカーはインターネットへの優しい懸け橋となることができるのです。

Amazonの「Echo」や、「Google Home」、Appleの「HomePod」などのスマートスピーカーは、私たちの多くが当たり前と思っているようなインターネットでの情報検索を簡単なものにしてくれます。少し設定すれば、Alexaを使ってUberを呼ぶこともできます。スマートスピーカーのデジタルアシスタントは完璧ではありませんが、視覚障害を持つ人たちに、世界と交流するまったく新しい方法を提供できるかもしれません。


Image: Daisy Daisy/Shutterstock.com

Source: The Atlantic, Amazon, Tom's Guide, Gizmodo

Jacob Kleinman - Lifehacker US[原文