AIなしでも相当激しかったんですけどね。
知る人ぞ知る、ロボットたちの激しい戦い「バトルボット」が帰ってきました。アメリカで20年近く続いた番組の歴史のなかで、進化を遂げてきたロボットたち。近年こそ、ちいさなボディにシンプルなストラクチャーが詰められたスタイルが主流でした。
今回登場するロボットチャンプ(Chomp)は、見た目は普通ですが、中に人工知能を搭載しています。1対1の戦いのなかで相手の居場所を特定するカメラや、最も強力なダメージを与えるのに適切なタイミングがいつなのかを計算できる小型コンピューターが内蔵されているようです。ちなみにこの攻撃は「オートチャンプ(Auto-Chomp)」と呼ばれ、振り返ること2016年のデビューシーズンには観客をたっぷり沸かせました。
AIによってもっとスマートにアップグレードされたチャンプは今、一体どんな動きをみせてくれるんでしょうか? 生みの親であるZoe Stephensonさんにインタビューしました。
他分野でのロボット工学と同様、バトルボットにとっても「自律化」はひとつのキーワードです。チャンプはまさに、そんな未来を先導する存在かもしれません。「私は、今後より多くの自律型ロボットがバトルボットで歓迎されると思う」と、Stephensonさんは語ります。
バトルボットは、2000年からコメディ・セントラルで始まったテレビ番組。熱狂的なファンたちを唸らせなつつ、シーズン5で終了していました。2015年にはアメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー(ABC)に買収されるも、シーズン2でおしまいに。そして今、ディスカバリーチャンネルおよび同系列での放送が決まり、若い世代にもファンが広がっていくことが期待されています。
新シーズン開始にともない、カリフォルニア州ロングビーチ近くで実際にトーナメントが行なわれました。基本的なルールは3分間のバトルで1対1と、旧シーズンとさほど変わりありません。時間内に決定的なノックアウトがなかった場合、審査員団によって勝敗の判決が下されます。
「チャンプにもっと自動化を取り入れたい」と、Stephensonさん。ロボット追跡アルゴリズムの試作開発に取り組み、地上検証データと比較するプランを明かしています。
近いうちに、チャンプに限らず自律型ロボットが増えることが想定できます。かつてのチャンピオン「Tombstone」も、回転式の武器など強力な装備なしではただの大きなリモコンカー。場内を走り回りながら道中にある物を次々に破壊する能力がありますが、その背景にいるのが人間である限り、リアクションタイムには限界があるといえます。
これが、チャンプのようにコンピューターを使って予測不可能な攻撃を与えられたら、バトルボットの戦いのレベルがぐんと引きあげられること間違いないでしょう。
将来、ロボットの自律化が基本になるだけでなく、もっと自由に意思決定をしたり、周囲の環境に適応できるようになるかもしれません。それにしても、本格的な人工知能の搭載が進んだらいったいどれだけ激しい戦いになるんでしょうね…!
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US
Source: YouTube
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)