このバードウォッチング系アプリ、ポケモンGoの拡張現実版になるポテンシャルあり?

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  • author Rina Fukazu
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このバードウォッチング系アプリ、ポケモンGoの拡張現実版になるポテンシャルあり?
Photo: Ryan F. Mandelbaum

野鳥ブーム、来たるか。

ベランダに突然やってきた珍しい色合いの鳥、旅行中に見かけたくちばしだけ色が違う鳥、ヒーリング効果最強なんじゃないかと思われる鳥の鳴き声など…。

子どもの頃はまったくバードウォッチングに興味が湧かなかったのに、年を重ねて自然の美しさに感動するようになってからは、珍しい鳥を見かけるとつい「あれー?」なんて目を奪われがちだ...という人も少なくないのでは。

先日、全米オーデュボン協会とPostlightの新作アプリを使った公園内散策に参加してきた、野鳥好きな米Gizmodo記者のRyan F. Mandelbaumが「いろいろな意味で“拡張現実感”を味わった」という新作ARアプリの体験談を紹介します。


もしも野鳥の発見がポケモンをゲットするのと同じような感覚で楽しめるならば、これまでに200種類もの鳥が目撃されているニューヨークのセントラルパークはいわば「サファリゾーン」。普段なかなか遭遇することのない、レアな鳥を見かけるチャンスもあります。

バードウォッチング好きな人々のために開発されたという全米オーデュボン協会の新作アプリは、エキスパートにも便利ながら、初心者に合わせた目線でデザインされているのが特徴です。

もちろん、本屋に行けば携帯ガイド本もありますが、何の鳥か調べるだけならば「Cornell’s Merlin Bird ID」、目撃した鳥を記録したい場合は「eBird」というバードウォッチング系アプリがあります。オーデュボンの新作アプリはといと、これらの特徴を合わせ持っているといえるでしょう。

もともとは長いリストにごっついボタンという仕様でしたが、新しくなったアプリでは、時節や場所にもとづいて、大きさ、色、形、行動パターン、鳴き声などの特長からどの鳥か教えてくれます。また近隣地域での目撃情報を閲覧・記録できて、Audubon.orgの関連記事を調べることも可能。

セントラルパーク付近で見かけるのは珍しい、ミノゴイ。
Photo: Ryan F. Mandelbaum

地元のホットスポットを探索できるほか、どこでどんな鳥が目撃されているかを知るにしても素早く便利に調べられるといった使い方もできます。

私は約1ヶ月間オーデュボンの新しいアプリを使っているなかで、実際に3〜4回ほど野鳥観察にも出かけました。アプリの感想を言えばとても良かったという所感があるいっぽう、鳥を特定するのに結構なワークフローがあってタップが必要な回数がやけに多いのが使いづらかったです。

でもメイン画面から興味深い記事を読んだり、姿が見えなかった鳥の鳴き声を再生してみて確かめられるのは良かったです。

オウゴンヒワ
Photo: Ryan F. Mandelbaum

セントラルパーク内を散策中、バードウォッチングのエキスパートたちは主に肉眼、双眼鏡、耳に頼っていましたが、一瞬しか見えなかった鳥の画像や鳴き声の再生などアプリを使って確認している人もいました。

NYCオーデュポンのBirder Jeffrey Ward氏は散策中、ショウジョウコウカンチョウがムネアカコウカンチョウによく似ていることをアプリを使いながら説明していました。

シマセゲラ
Photo: Ryan F. Mandelbaum

セントラルパークで見るのは珍しい「アビ」や「ミノゴイ」、「ナツフウキンチョウ」を含め、一日の終わりにはこのニューヨークで25種類の鳥を見つけました。

アプリを使いながら、ショウジョウコウカンチョウ科の鳥類のちがいを説明中
Photo: Ryan F. Mandelbaum

拡張現実アプリではないかもしれませんが、鳥を特定するのが簡単になったという意味では十分、現実が拡張されたような心地がします。


たしかにアプリをはじめ、本当に使える便利なツールって文字通り現実を拡張してくれるような一面がある気がします。個人的には、さすがにポケモンGoほどの爆発的人気は出ないにしても、そろそろもっと野鳥ブームが広がっても良い時期なのかしらなんて密かに思ったり。

アプリ、いつ公開されるのかな。


Photo: Ryan F. Mandelbaum

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文
(Rina Fukazu)