ホンダ「CB125R」試乗インプレ・車両解説(太田安治)

画像1: ホンダ「CB125R」試乗インプレ・車両解説(太田安治)

迫力のフルサイズながら車体は軽量、フットワークも俊敏

このCB125Rは、タイホンダで製造されるグローバルモデル。アジア諸国ではスクーターや実用車然としたアンダーボーンフレームモデルが依然として主流だが「趣味としてのオートバイ」という意識の高まりを受け、前後17インチホイールのフルサイズ車体+6速マニュアルミッションを装備したスポーツ車が注目されている。

CB125Rの開発コンセプトは「バイク本来の乗る楽しさ」。抽象的なフレーズだが、スクーターや実用車とは一線を画すスポーツ性と、ライダーの技術や経験を問わない扱いやすさの表現なのだろう。

画像: ■価格:44万8200円

■価格:44万8200円

5月22日に発売予定の兄貴分・CB250Rと共通の車体だけに、見た目の存在感は原付二種らしからぬもの。だが、車重は同クラスの中でも軽量な127kgで、押し歩きは拍子抜けするほど軽くて楽だ。

125ccスポーツ車はEUのA1免許に合わせて最高出力を15馬力としたものが多いが、このCBは13馬力で、高回転での速さよりも低中回転域での扱いやすさを優先している。1速のギア比が低めということもあって、発進時にエンジン回転やクラッチ操作に気を使う必要はないし、2速以上のギアが対応する速度範囲が広く、ズボラな操作でもスムーズに応えてくれる。

引き換えに、特定の回転域から弾けるようなパワーが出ることはないが、市街地なら間違いなくこの設定の方が乗りやすいし、ビギナーでも安心できる。

画像: ●最高出力:13PS/10000rpm  ●最大トルク:1.0kg-m/8000rpm あえてSOHCを採用して中回転域でのトルク特性を重視、扱いやすさを優先した仕上がりとした 水冷シングルユニット。パワーは13PSだがビギナーにも優しいエンジンだ。

●最高出力:13PS/10000rpm  ●最大トルク:1.0kg-m/8000rpm
あえてSOHCを採用して中回転域でのトルク特性を重視、扱いやすさを優先した仕上がりとした
水冷シングルユニット。パワーは13PSだがビギナーにも優しいエンジンだ。

見方によっては「ゆるい」エンジン特性に対し、ハンドリングの切れ味はなかなか鋭い。

車重の軽さと幅広ハンドルへの入力のしやすさはもちろん、重量バランスの良さと車体剛性の高さ、前後ラジアルタイヤ(試乗車の装着タイヤはダンロップGPR300)が効いている。意図した分だけスッと軽やかに向きを変えて素直に旋回状態に入り、意地悪くブレーキを掛けたまま寝かし込んだり、強引に切り替えしても、車体がよじれるような挙動はまったく出ない。

タイヤの接地感が掴みやすいうえ、IMU(姿勢センサー)付きABSでフルブレーキング時の安定感も抜群。ワインディングロードで安心感が高く、サーキット走行も楽しめる味付けだ。

画像2: ホンダ「CB125R」試乗インプレ・車両解説(太田安治)

それゆえ、街乗りでの乗り心地は若干硬め。リアサスがもう少しソフトでダンピングも弱い方が街乗りで快適だと思うが、この辺はシャッキリしたハンドリングとトレードオフの関係だし、東南アジア諸国におけるタンデム率の多さも関係あるのかも知れない。

フルサイズのネイキッドモデルとして幅広いユーザー層、コミューターの枠を超える使い方に応える仕上がりがCB125Rの魅力。日本国内では新世代CBシリーズのニューカマーとして、ビギナーやスクーターからの乗り換え需要を取り込み、原付二種スポーツモデル市場活性化を加速させる存在になりそうだ。

ホンダ「CB125R」ライディングポジション

画像: 身長:176cm/体重:60kg

身長:176cm/体重:60kg

ハンドルバーは高めにセットされているが、シート着座位置も高いため上体は軽い前傾姿勢になる。着材位置とステップ間の距離に余裕があるので、腰、膝、足首への負担が少なく、長時間ライディングでも疲れにくい。

ホンダ「CB125R」主なスペック

SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高 2040×820×1055mm
ホイールベース 1345mm
最低地上高 141mm
シート高 815mm
車両重量 127kg
エンジン形式 水冷4ストOHC2バルブ単気筒
総排気量 124cc
ボア×ストローク 58×47.2mm
圧縮比 11.0
最高出力 13PS/10000rpm
最大トルク 1.0kg-m/8000rpm
燃料供給方式 PGM-FI
燃料タンク容量 10L
変速機形式 6速リターン
キャスター角/トレール量 24度12分/90mm
ブレーキ形式 前・後 ディスク・ディスク
タイヤサイズ 前・後 110/70R17・150/60R17

ホンダ「CB125R」各部装備・ディテール解説

画像: CB1000Rを頂点とする「ネオスポーツカフェ」シリーズ共通のスタイリングイメージを採用。シャープなラジエターシュラウドやアンダーカウルは金属の素材感を活かしたシルバー仕上げだ。

CB1000Rを頂点とする「ネオスポーツカフェ」シリーズ共通のスタイリングイメージを採用。シャープなラジエターシュラウドやアンダーカウルは金属の素材感を活かしたシルバー仕上げだ。

画像: ラジアルマウントキャリパーにショーワの倒立フォーク、ラジアルタイヤと、足回りの装備はクラスでも群を抜く内容。

ラジアルマウントキャリパーにショーワの倒立フォーク、ラジアルタイヤと、足回りの装備はクラスでも群を抜く内容。

画像: リアタイヤもダンロップのラジアルタイヤを標準装備。リアショックはイニシャル調整のないシンプルなモノサスを採用。

リアタイヤもダンロップのラジアルタイヤを標準装備。リアショックはイニシャル調整のないシンプルなモノサスを採用。

画像: シート高は815mmだが、前端部の絞り込みで足つき性は良好。さすがにタンデムシートはコンパクトなものとなっている。

シート高は815mmだが、前端部の絞り込みで足つき性は良好。さすがにタンデムシートはコンパクトなものとなっている。

画像: LEDヘッドライトは流行りの異形とせず、あえて丸目を採用して、他車とは違う「CBらしさ」を演出。ウインカーもLEDだ。

LEDヘッドライトは流行りの異形とせず、あえて丸目を採用して、他車とは違う「CBらしさ」を演出。ウインカーもLEDだ。

画像: 反転表示を採用した液晶のデジタルメーターはバーグラフ式タコメーターやシフトインジケーターを備える多機能タイプ。

反転表示を採用した液晶のデジタルメーターはバーグラフ式タコメーターやシフトインジケーターを備える多機能タイプ。

文:太田安治/写真:赤松 孝

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