生き物

世にも珍しい「2つの頭を持つ鹿」が発見される


結合双生児は体が結合している双子のことを指し、人間ではおよそ5万~20万組に1組の割合で双子が結合しているケースがあるとされています。結合双生児が自然界の動物に見つかることは非常にまれですが、ミネソタ州の森林で「2つの頭を持つ鹿」が発見されたと報じられています。

Two-Headed Deer Found Dead in Minnesota Woods
https://www.livescience.com/62571-two-headed-deer-minnesota.html

Two-headed deer discovered in forest described as 'amazing' by scientists | The Independent
https://www.independent.co.uk/environment/nature/two-head-deer-minnesota-conjoined-twins-white-tailed-a8350911.html

2016年5月、ミネソタ州ミシシッピ川付近の森林でキノコ狩りを行っていた男性は、草の下に横たわった1体の子鹿の死骸を発見したとのこと。子鹿の死骸を発見するだけであればそれほど珍しいことではありませんが、なんとその子鹿は2つの頭を持っていました。


全身に白い斑点が浮いている子鹿は全長約60cmほどで、よく毛繕いされてきれいな状態だったとのこと。発見された時点で既に死んでいたそうですが、死後それほど長い時間は経過しておらず腐敗が進んでいるということもなかったようです。ただし、周囲に子鹿の親らしき姿は見えなかったとしています。

発見者の男性はミネソタ天然資源局に子鹿を引き渡し、研究者らが子鹿の体を研究した結果、子鹿は妊娠した親鹿から産み落とされた個体であることが確認されました。ジョージア大学のジーノ・ダンジェロ准教授は、「双頭の鹿の発見は、その希少性を評価することさえできないほど非常に貴重な発見です」と述べています。


子鹿の種類はオジロジカであり、ダンジェロ准教授らはCTおよびMRIスキャンを行い、結合双生児の子鹿について調査したとのこと。MRIスキャンの結果、子鹿は2つの頭が1つの脊椎を共有しており、脊椎は2つの首に向かって途中で枝分かれしていることが判明しました。

また、内臓の構造を調べるために解剖を行ったところ、子鹿は1つの心膜の中に2つの心臓を保持していることもわかりました。加えて2つの首にはそれぞれ別個の食道と、食物を反すうするための前胃も2つ有していたとのことですが、前胃から続く消化管のうち片方は閉鎖されていたそうです。

ダンジェロ准教授によれば、「子鹿の肺には空気を吸った痕跡がないため、子鹿は生まれてすぐ、もしくは生まれる前に死亡したと考えられます。しかし、しっかりと毛繕いがされていたことから、親鹿の母性本能が強いものであるということがわかります」と語りました。

自然界で哺乳類の結合双生児が生まれることは非常にまれであり、1671年から2008年に収集されたデータによれば、哺乳類の結合双生児はわずか19件しか報告されていないとのこと。その中で今回発見された個体と同じオジロジカは2件の報告がありますが、いずれのケースでも結合双生児の子鹿が子宮の中にいる時に、親鹿も子鹿も死亡していたそうで、「結合双生児が通常通り出産され、親鹿も生存していた今回のケースは非常にレアです」と、ダンジェロ准教授は述べています。

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in 生き物, Posted by log1h_ik

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