海外旅行は、新しい文化に触れる絶好の機会です。私も自分の境界線を押し広げて現地の雰囲気にどっぷりつかるのが好きですが、コーヒーだけは例外です。海外にいようと、1杯のコーヒーが必要な気分のときには、できるだけ慣れ親しんだコーヒーを飲みたいのです。

自宅で毎朝飲むコーヒーと似たものを見つけようとしても、それが驚くほど難しいこともあります。同じ言葉でも、国によってまるで違うものを指すのです。たとえば「アイスコーヒー」が冷たいコーヒーを意味するのは、私たちアメリカ人のほうが特異な例のようです。その他多くの国では、「アイスコーヒー」はアイスクリームと一緒にやってきます

そこで、海外居住者、現地人、旅人に、アメリカンスタイルのドリップコーヒー(に似たもの)を見つける方法を聞きました。

最初に1つ、基本中の基本をお伝えしておきます。ドリップコーヒーがないエスプレッソ指向の国では、エスプレッソをお湯で薄めたカフェ・アメリカーノが1番近い飲み物です。

アルメニア

平和部隊でアルメニアにいたことがあるクリスはこう言います。

アメリカ人にとっていちばん親しみやすいアルメニアのコーヒーは、トルコスタイルのコーヒーです。非常に細かく挽いた豆を小さな金属製のポット「Jazzve」で煮出し、小さなカップに直接注ぎます。砂糖を入れることはありますが、ミルクはほぼありません。

エスプレッソを出すカフェでは、アメリカーノまたはフレンチプレスコーヒーが飲めるでしょう

オーストラリア

地元のカフェやスターバックスなどの有名ブランドも含め、エスプレッソが一般的です。でも、ドリップコーヒーとミルクにも比較的かんたんにありつけます。ただ、ミルクはスチーム処理されて出てきます。コーヒーに入れるために冷たいミルクを頼むと、混乱を招くかもしれません。

ブルガリア

砂糖とクリームの入ったインスタントコーヒー「Nescafé 3-in-1」を探してください。ブルガリア出身で現在はニューヨーク在住のニコライさんはこう言います。

「トリ・フェドノ」と言えばどこでも見つかります。大きなカップに入っているか、お店でお湯の入ったカップとホットチョコレートのような粉末のパッケージをもらえます。

大きめのカフェではエスプレッソもあるそうです。「ロングコーヒー」は、多めのエスプレッソなので、アメリカーノと似ています。エスプレッソよりも大きなカップで注がれ、ミルクを入れる余裕もあります。

中米

コーヒー豆の産地なので、ドリップコーヒーが一般的。いつもと同じように注文すればOKです。ニカラグアに住んでいたことがあり、現在はエルサルバドル在住のサリタさんによると、持ち帰りのカフェやガソリンスタンドにはアイスコーヒーもあるそうです。ただし、甘いスラッシュが多いとのこと。

中国

香港に住んでいるクリストファーさんが教えてくれました。

香港でアメリカンスタイルのドリップコーヒーに近いのは、「ザイ・フェ」です。地元の食堂(チャチャンテンと呼ばれています)でこれを注文すると、ブラックコーヒーが出てきます。とても濃くて苦いので、たいていはミルクと砂糖を入れて飲みます。通常のコーヒー「ガア・フェ」を頼むと濃縮ミルクと一緒に出てきます。砂糖を加えてもいいでしょう。

アイスコーヒーは甘いです。また、クリストファーさんによると、中国本土はコーヒー文化が根付いていないとのこと。

広州、上海、北京を問わずコーヒーは極めて高価で、スターバックス風のチェーンか、サードウェーブコーヒー専門店に限られます。

その他の場所で「コーヒー」を頼むと、ネスカフェが出てくるそうです。

東欧

ほとんどのコーヒーショップで、イタリアンエスプレッソの標準的なメニューが見つけられます。つまり、ドリップに近いものが欲しければアメリカーノを頼むのが安全です。「アイスコーヒー」の広告には要注意。その正体は、アイスクリームが入ったコーヒーです。アフォガートのような。

フランス

「カフェ・アロンジェ」または、ローカルっぽく頼みたければ単に「アロンジェ」と注文しましょう。エスプレッソとアメリカーノの中間の濃さです。冷たいコーヒーは「カフェ・グラセ」ですが、めったにありません(トラベルライターのシルビアさんによると「存在はする」らしい)。カフェフラッペは、甘くてブレンドされたコーヒーです。

ギリシャ

エスプレッソマシンが一般的。アメリカーノが無難ですが、エスプレッソとお湯が欲しいと説明しなければならないことも。ライターのゾラさんが、アイスコーヒーについて教えてくれました。

今一番人気のアイスコーヒーは、「フレッド・カプチーノ」と「フレッド・エスプレッソ」です。その名の通り、濃い! でも、冷たい水と一緒に出されるので、必要に応じて薄めることができます。

インド

インドではコーヒーより紅茶のほうが人気です。とはいえ、エスプレッソを提供する店ならどこでもアメリカーノを注文できます。

イタリア

カフェ・アメリカーノ!

お湯は別に出てくることも。クリームがほしいときは「panna per caffe」と言いましょう。イタリアではコーヒーといえばカフェで飲むものであり、持ち帰りはほとんどありませんでした。ところが最近では、旅行者の多い大都市では持ち帰りをやっているカフェも増えてきたようです。

イスラエル

「カフェ・フィルター」を頼むと、ドリップに似たもの(プアオーバーのことも)が飲めます。アメリカーノもよくあります。「ブラックコーヒー」は、泥を意味する「ボッツ」の異名を持つターキッシュコーヒーです。アメリカ風のアイスコーヒーやスラッシュコーヒーも一般的です。

日本

カフェはエスプレッソが一般的です。自動販売機で買える缶コーヒーは、温かいものも冷たいものもあり、バリエーションが豊富です。ミルクと(ときに過剰な)砂糖が入っていますが、利便性は抜群です。東京に住むリーさんによると、コンビニエンスストアでもドリップコーヒーが買えるそうです。

南アフリカ

フィルターコーヒーを頼めばドリップコーヒーが飲めますが、めったに見かけません。なければアメリカーノを飲みましょう。「アイスコーヒー」は、甘いお菓子です。

スペイン

アメリカーノを注文すれば、エスプレッソとお湯が出てくるでしょう(ミルクはスチーム処理したものに限られます)。カフェ・コン・レチェは、エスプレッソとホットミルク。ラテに似ていますが、泡がありません。

スウェーデン

スウェーデンに住むアメリカ人、Jarynさんに聞きました。

スウェーデンはドリップコーヒー(bryggkaffe)に誇りを持っていますが、アメリカンに比べると非常に濃いです。

とはいえスウェーデン人の誇りは、アメリカン化を阻みはしないようです。

数年前までアイスコーヒーは飲めませんでしたが、今では夏になると売られるようになりました。

大都市では水出しコーヒーもあるのだとか。

プエルトリコ

トラベルライターのアリシアさんによると、アメリカのコーヒー文化が、プアオーバーの形態でお洒落なカフェを中心に浸透しつつあるようです。それがなければ、エスプレッソはもっと一般的なので、アメリカーノを頼みましょう。

西欧(オーストリア、ドイツ、オランダ)

「ブラックコーヒー」を頼めばアメリカーノが出てきます。アイスコーヒーは悲しいかな、暑い夏でも皆無です。


Image: Eduard Zhukov/Shutterstock.com

Jaime Green - Lifehacker US[原文