「ジョイマンはどこに行った?」 ジョイマン「ここにいるよ」※ジョイマン高木 特別寄稿

今回はお笑い芸人のジョイマン・高木晋哉さんに特別寄稿していただきました。Twitterでの「ジョイマンどこいった?」との問いかけに「ここにいるよ」とかれこれ5年も返信をし続ける、そんな高木さんが見据える「自分にとっての”SPOT”」とは。「時が満ち、見えなかった仕事が僕の目にも見えるようになったんだ」――。

【特別寄稿】
ジョイマン高木(お笑い芸人)DIe63ROUEAA4yvT「仕事は無いわけじゃない、見えていないだけなんだ。月が昼間は見えないのに確かに空に存在しているように。仕事は有ったり無かったりするものじゃない。そう、時が満ちれば見えてくるもの。その一点の曇りもない真理に気付いた瞬間、僕の身体は幾千の光の粒となり太陽へと吸い込まれていった。」

そんなことをツイッターで呟いていたら仕事のオファーが来た。そう。時が満ち、見えなかった仕事が僕の目にも見えるようになったんだ。

その仕事は、「地球上の気になる場所に実際に行ってその魅力を紹介する『SPOT』というサイトで何かを書いて欲しい」というライターのヨッピーさんからのオファーだった。僕のツイッターアカウントを見てオファーを決めてくれたらしく、内容は任せるという。考える。僕はどこに行くのだろう。考える。僕はどこから来たのだろう。そして僕は今どこにいるのだろう。ツイッターでエゴサーチをすれば「ジョイマンどこいった?」そんなツイートをよく見る。僕はそのツイートひとつひとつに「ここにいるよ」と返信する作業を5年ほど続けている。僕はここにいる。どこから来ようが、どこに行こうが、いつだって僕は“ここ”にいる。そうか。僕のSPOTは“ここ”なんだ。

2018年4月3日。いま僕は新宿の“ルミネtheよしもと”という劇場の楽屋にいる。僕がまだジョイマンですらなく、お笑いが好きな伏し目がちの青年だった頃、この劇場は僕にとって唯一夢を見れる場所だった。ここには笑顔しか無かった。笑うこと以外の感情を忘れてしまうくらい、この場所は圧倒的な幸せで充満していた。あれから15年。先程この劇場で『一発屋オールスターズ』というユニットの公演があった。このユニットの初期メンバーはレイザーラモンHGさん、レギュラーさん、天津木村さん、三瓶さん、ムーディ勝山さん、そして僕達ジョイマン。僕はあの頃に僕が憧れていた“芸人”になれているのだろうか。

僕は一発屋と呼ばれている。世間から「ジョイマンは消えた」と言われるようになって久しい。10年前にテレビにたくさん出て以来、今ではほとんどテレビに出ていないからだ。僕の顔を、僕の衣装を、僕のネタのステップを正確に思い起こせる人は少ないだろう。テレビには売れている人が出ている。売れている人は人気がある。2014年8月3日、ジョイマンのサイン会にお客さんが0人しか来なかった。確かにジョイマンは消えたのかもしれない。世界に必要のない芸人なのかもしれない。僕はこの『一発屋オールスターズ』に参加するまで、そう思っていた。

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背中に帯び始めた哀愁を見込まれて『一発屋オールスターズ』に拾って頂き、そして先人達の背中を追いかけているうちに、僕は不思議と自分が今いる場所を肯定できるようになった。それは失礼を恐れずに言えば、一発屋の先人達が、悩みや目的を共有できた初めての仲間だったからだ。セカンドチャンスを掴みたいという気持ちが初めて通い合った前向きな仲間だったからだ。もちろん今でも時代の荒波はジョイマンを飲み込もうと押し寄せてくる。でも何があろうと、何を言われようと、これからも芸人として生きていくのなら、僕達はそれを笑いにするしかないじゃないか。先人達の背中を見てそう思えるようになった。それは僕にとって大きな救いだった。

芸人として、そして人間としても、一発屋オールスターズの先人達には多くのことを学ばせて頂いた。ムーディ勝山さんからは男の哀愁の滲ませ方を、三瓶さんからは変わらずにいることの大切さを、レイザーラモンHGさんからはボディバランスの大切さを、天津木村さんからはテレビでやっていいエロとやってはいけないエロの線引きを、レギュラーさんからはお金持ちの社長との付き合い方を学ばせて頂いた。

そんな偉大なる先人達と共に小さなキャパシティの劇場から始めた『一発屋オールスターズ』は定期的に続き、今ではルミネtheよしもとで開催されるまでになった。今日もHGさんの「フォー」はお客さんの日々の疲れを吹き飛ばし、天津木村さんの「あると思います」が女性達の子宮に響き渡り、ムーディ勝山さんの「チャラチャッチャッチャラッチャー♪」は乱れてしまったこの世界の旋律を整え、レギュラーさんの「あるある探検隊♪」がその旋律を心地良く弾ませる。そして三瓶さんの「三瓶です」は、なぜだろう、全ての生命は海から始まっている事を改めて思い出させてくれる。僕はその全てに心を込めて「ありがとう オリゴ糖」と言う。誰も消えてなんかいない。僕達は確かにここにいる。

ゲストには8.6秒バズーカーを筆頭とする一発屋ニューカマー達を迎え、新旧あらゆる年代のスターがルミネに集結。2001年ブレイクの三瓶さんと2015年ブレイクの8.6秒バズーカーが悠久の時を超えて同じ空間にいる事の凄さ。まるで聖徳太子と田中角栄が一緒の空間で日本の未来について語り合うのを目の当たりにしているような興奮を感じた。一発屋オールスターズを語ることは日本の歴史を語ることにほぼ等しい。そして恒例のサイン争奪じゃんけんコーナー、写真撮影コーナーを終えて狂乱の中で公演は幕を閉じた。

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10年前。2008年、ジョイマンが忙しかった頃、周りの景色だけが目まぐるしく変わっていくのに僕は少しも前に進んでいなかった。お笑いが好きな伏し目がちの青年からテレビでよく観るお笑い芸人になって空高く羽ばたいていたと思っていた僕は、確かに地に足が着いていなかった。変わっていった景色がどんな景色だったのかも思い出せない。今日の『一発屋オールスターズ』の公演は458のキャパシティを誇るルミネtheよしもとが満員御礼だった。舞台上から見る満席のルミネtheよしもと。僕はこの景色をきっと忘れないだろう。僕はここにいる。自分の足で立ち、ここにいる。これからもそうだ。場所がどこかは問題じゃない。自分の位置、そしてそこから見える景色は日々移り変わっていく。だからこそ、どこにいても「ここにいるよ」と自信を持って言える自分であることが大切だ。なぜなら、いつだって“ここ”が僕の最高のSPOTなのだから。

DaTNckrU8AAG7CA単独ライブ、やります。

【ライブスペシャル】ジョイマン15周年記念単独ライブ「ここにいるよ。」
出演者:ジョイマン
開催日時:2018年7月7日(金) 開場19:00/開演19:30/終演21:30
料金:前売2,800/当日3,300(※チケットは完売しました)
チケット発売日:先行受付:4/2(月)11:00~4/5(木)11:00
一般発売:4/7(土)10:00~
お問合せ:チケットよしもと 0570-550-100
詳細:http://www.yoshimoto.co.jp/lumine/liveschedule/pc/2018/07/20187715.php