サイエンス

肥満を回避するには体内時計を考慮して食事すべきだと研究者が指摘


1日の食事を考えたとき、朝は小食、昼と夜にしっかりとした食事を取る人が多いはずです。しかし、人間の体内時計を考慮すると、朝または昼に量の多い食事を取る方が、肥満解消にもつながり健康的な生活を送れる可能性が高いことが研究者によって示されました。

Are we eating at the wrong time for our body clocks? - BBC News
http://www.bbc.com/news/health-44174043

キングス・カレッジ・ロンドンで栄養学科の客員講師を務めるゲルダ・ポット氏は「昔から王のような朝食、王子のような昼食、貧困者のような夕食を取るという考え方があります」と語っており、朝、昼はしっかりと食べ、夜は小食にするという考え方が昔からあると説明しています。

2018年現在では、多くの科学者が伝統的な考え方が正しいかどうかを検証しようとしており、この中には食べ物と体内時計との関係に注目している人がいます。時間栄養学を研究しているポット氏は「私たちの体内時計には、1日の中で個々の代謝プロセスを行うために最適な時間が存在しています。たとえば、人の体は夜になるにつれて活動が低下するため、夕方にたくさん食事を取ることはあまり良いことではありません」としています。


サリー大学で時間生物学と総合生理学の准教授を務めるジョナサン・ジョンストン氏は、これを裏付ける理論の1つとして「体のエネルギー消費能力」を挙げています。これは人体が食事を処理するために使用するエネルギーは、夕方よりも午前中の方が多いという考えで、そのため昼食時にその日一番の量を食べるようにすることがなどの「1日の早い段階でカロリーの高い食事を行うこと」が健康につながるというわけです。ジョンストン氏は「食べるタイミングを変化させることで、人々の健康や肥満の改善につながるかも知れません」とも語っています。

動物の研究では、特定の時間に食事をすることで体内時計をリセットする効果があることが示されており、2018年現在ではこの結果が人にもあてはまるかどうか検証されています。


ジョンストン氏が10人の男性被験者を集めて行った研究では、食事時間を5時間遅らせることで、体内時計も同様にシフトすることが示されました。「この研究は小規模なものではありますが、特定の時間に食事を取ることは『狂った体内時計』を正常化することにつながる可能性があります」とジョンストン氏は述べています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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