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今週はストア派の哲人セネカの「心の平静について」第10章からの引用です。セネカは、理性の力を使えば、いかなる状況でも改善する道を見つけることができると訴えています。

公平な心が慰めを見出だせないほど過酷な運命などないのである。往々にして、わずかな敷地も、巧みに区分けすれば、さまざまな用途の道が開け、狭い空間も配置次第で居住できるものとなる。困難に対処するには理性をもってするがよい。過酷なものも緩和され、険隘(けんあい)なものも開かれ、過重なものも巧みに担えば苦しみも減る。

『生の短さについて 他二編』セネカ著 大西英文訳 :岩波書店、2010年

その意味するもの

賢くて思慮深い人なら、いかなる状況に置かれても、それを最大限に活用する方法を見つけることができます。たとえば、どんなに狭い空間でも、配置を工夫すれば、有効利用が可能。目の前の問題を解決し、物事をより良くするために、どうか理性を使ってください。

そこから学べるもの

この言葉はいわば、「find the silver lining(悪い状況の中にも明るい兆しを見る)」 のストア哲学バージョンですが、もう少し積極的です。「感情に流されるかわりに、状況に対して理性を適用することを選べ」ということです。この引用でセネカが言っているのは、どんなに小さなことであれ、状況を改善するためにできることが常にあるということです。また、セネカは次のようにも言っています。

実現不可能なもの、実現可能であっても困難なものは断念し、身近にあり、われわれの期待に望みを持たせてくれるものを追い求めるようにしよう。

状況を改善するために山を動かす必要はありません。ただ、何がしかの努力をすればいいのです。小さなことから始めてください。小さな努力でも積み重なれば効果を発揮します。太っている? 毎日歩くことから始めましょう。貯金がない? 毎月、数ドルを口座に積み立ててください。孤独を感じる? 週に1人、新しい人と話すようにします。仕事に満足していない? よりよい仕事に就けるようなスキルを磨けるトレーニングコースを探してください。

たとえば、狭い土地しか持っていないという状況を考えてみてください。1日中、土地の狭さを嘆いているばかりで何もしない人もいるでしょう。ストア派の哲人なら、生活状況を改善するために、同じ狭い土地を有効利用する方法を見つけ出します。

人生には運命というものがあります。運命とは、この宇宙で自分ではコントロールできないあらゆることを指します。広大な土地を持っている人もいれば、狭い土地しか持っていない人もいます。それでも、自分の土地を活用する能力は私たちの誰にでも備わっているのです。それはパズルのようなものです。パズルを睨みながら、ただ泣き言を言い続けますか? それともパズルを解こうとがんばりますか? 困難な状況に置かれたとき、状況に屈服することも、状況を改善しようと努力することもできます。

どうか後者を選んでください。


Image: gnuckx/Flickr

Patrick Allan - Lifehacker US[原文