どんなに便利なサービスであっても、安全性は大前提であるべき。
アメリカで「犬の散歩代行サービス版Uber」として注目を浴びてきたアプリ「Wag」。New York Postによると先日、3歳の犬が散歩中に失踪し、翌日には自宅まで自力で戻ってくるということがありました。
同誌の取材によれば、Wagは犬の失踪後に捜索チームを雇い、張り紙を掲示したほか、地元の自治体に情報を提供して犬用アンバーアラートを発令したとのこと。その後、張り紙を見た近所の人から、テディが自宅の建物前にいることが同社の情報受付窓口に知らされたようです。
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— Maura Brannigan (@maura_brannigan) 2018年5月12日
Wagのサービスによって起きたトラブルは、今回に限りません。2015年以来、少なくとも8件の犬の失踪のほか、失踪のすえに死亡するといった事案も悲しいことに複数発生しています。
アメリカ市場では、なかなか好況な犬の散歩代行サービス。いわゆる「ドッグシッター」とよばれる仕事は、ニューヨークでは資格が必要であるいっぽう「散歩代行」にはそうした要件がありません。ニューヨークポストでは、同社が「採用者には研修を提供している」と報じましたが、米Gizmodoの取材によれば、そうでなく代わりに採用選考課程で身元調査を行なっていると広報担当者は回答しています。一連のトラブルを振り返ると、それだけでは十分ではなさそうですが...。
Wagをめぐるトラブルは、ユーザーだけでなく散歩代行をした19歳の学生アルバイトにも降りかかっていました。つい先日、愛犬が行方不明になって騒ぎ立てたユーザーに対して、Wagが学生アルバイトの住所を提供。怒り心頭(かつ酔っぱらい気味)のユーザーが学生アルバイトの住むアパートに押し入って脅すということがありました(その後、失踪した愛犬はアパート内で無事に発見されたようです)。
同サービスでは今年、顧客の住所等を含む個人情報をウェブページで公開するというミスも発生したことがWall Street Journalによって報じられています。知らない人に自宅アパートの場所、不在時間、家への入り方を教えるということも含めて、犬の散歩代行は信頼の上で成り立つべきビジネスであるにも関わらず、この管理状況では利用に不安を抱いてしまします...。
愛犬を失踪させられることほど、悲しいことはありません。二度と同じようなことが起きないように、どうかリスク管理を徹底してほしいものです。
Image: Wag
Source: New York Post, Twitter
Tom McKay - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)