今の日本でライドシェアは難しい…タクシー会社と手を結ぶUber、この夏実証実験をスタート

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今の日本でライドシェアは難しい…タクシー会社と手を結ぶUber、この夏実証実験をスタート
Image: Creative Lab/Shutterstock.com

夏の淡路島、移動手段を気にせず観光できるかな?

配車サービス「Uber」を展開しているウーバーテクノロジーズが、今夏から兵庫県淡路島でタクシー配車の実証実験を行なうことを発表しました。Uberがタクシー事業者と手を組むのは、日本でこれがはじめてです。

東京都内ではすでに、UberBLACKという専用車による配車サービスは始まっていますけど、Uberの基幹となるサービスは一般人が自家用車で参加してお小遣いを稼げる「ライドシェア」。しかし、かつて国内でテストしたところ、「それ白タクじゃん!」と、タクシー業界や政府からツッコミを受けて計画頓挫したという経緯があります。その後一部特区でのみ解禁されましたが、あくまでも限定的なもの。

そのUberが見出した新たな道が、今回導入されるタクシーの配車システムというわけですね。公募した島内のタクシー事業者と連携し、既存のタクシーに配車システムを導入します。これまでのUber同様、ユーザーはスマホアプリを使ってタクシーを手配できるという流れですね。

なお、日本経済新聞によると、ウーバーテクノロジーズはこの他にも日本のタクシー事業者20社以上と契約に向けて協議を行なっているとのこと。つまり、この実証実験にかぎらず一旦「ライドシェア」実現は白紙にし、日本での舵取りをタクシー事業者との連携へ向けたという流れを感じます。

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Image: AppStore

迎えに来てくれるのは便利ですが、Uberであれば行き先指定も支払いもアプリで済んじゃう、ってところもポイント。言葉の壁があっても利用しやすく、訪日外国人には助かるサービスかも。

また、スマホを使いこなせるシニア世代も増えていますし、観光の足、日常の足として活躍が期待されます。実験は夏からスタートで、19年3月末まで実施される見通しです。

もしUberがシステムとして全国のタクシーとうまく連携できれば、今よりも気軽にタクシー呼べて支払いも楽ちんになりそうですね。観光や日常の足としてタクシーという選択肢がさらに身近になるかも。2020年にはオリンピックで訪日外国人も増えるでしょうし、ニーズは高そうですね。

「昨日の敵は今日の友」っていいますし、Uberとタクシー業界とでいい関係を築けたら、僕らも多分便利になってWIN-WIN-WINな気がするんだよなぁ〜。

(2018年5月23日 19:55修正)現在Uberが日本で展開しているのは、東京都内でUberによる専用車の配車サービスUberBLACKであり、タクシーによる配車サービスは今回の淡路島が日本初の試みです。謹んで訂正いたします。


Image: Creative Lab/Shutterstock.com
Source: UBERニュースルーム, bloomberg, 日本経済新聞, Uber

(小暮ひさのり)