一年で一番好きなトマトの季節ももうすぐ。もちろん、トマトの季節はまだちょっと先ですが、グリーントマトの季節はまだ始まったばかりです。

グリーントマトを美味しく食べるには?

グリーントマトとは(熟しても緑色のままの品種を除けば)単に熟していないトマトのこと。見た目が似ているトマティーヨ(オオブドウホオズキ)と比べたくなるかもしれませんが、トマティーヨはトマトとはまったく異なる果物なので、グリーントマトとトマティーヨは味も食感もまったく似ていません。トマティーヨは生で食べるとピリッと辛く、コリコリと歯ごたえがあります。しかし、生のグリーントマトはかなり渋みがあり、熟した旬のトマトやトマティーヨの代わりにはなりません。

またグリーントマトには神話で言われているような毒はないので、食べてもまったく害はありませんが、普通は熟していないトマトを積極的に探す人はいません。では、最初にグリーントマトを食べようと思った人は、なぜわざわざ熟していないトマトを食べたのでしょう? 無理やり熟させてもがっかりする結果に終わるだけ。そこで、グリーントマトを普通のトマトとは違う、貴重な食材として受け入れると価値が生まれます。

熟したトマトと違って、グリーントマトはかなり火を通しても形が崩れにくい。だから、フライド・グリーントマト(トマトのフライ)はとても美味しいのです。調理することで、眉をひそめるような酸味がやわらぎ、フライのカリカリとした食感が強調されます。それに、実が固いので熱い油で揚げてもドロドロになりません。だから、フライド・グリーントマトは昔から食べられているのです。しかし、画期的な料理ではありません。それに、個人的には自宅で揚げ物をするのは嫌いです。

今回は、あまり有名ではないグリーントマトの3つのレシピを紹介します。固くて緑のトマトを食べるだけの価値のあるものに変えてくれるこのレシピで、トマトの旬が来るまで乗り切りましょう。

グリーントマトのピクルス

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Photo: A.A. Newton

グリーントマトを半月切りにし、スパイスを入れた甘めの塩水に漬け込んだピクルスは、驚くほど美味しい。塩水が自然な酸味を引き出し、実は固いままで数カ月間はコリコリとした食感を楽しめます。3月に最初に出回ったグリーントマトを見つけたとき、これはピクルスにしようと思いました。

これはニューヨーク・タイムズ紙に載っていたレシピをベースに少し変えてつくっています。下記の分量の塩の量を約大さじ2杯にして、ガラムマサラを加えるのです。特にカルダモンがグリーントマトによく合います。

<材料>

グリーントマト(中) 4つ程度(スライスする)

A:

コーシャーソルト(天然塩) 1/3カップ

お酢 1と3/4カップ

ブラウンシュガー 2/3カップ

マスタードシード 大さじ3

セロリシード 小さじ1/4

ターメリック 小さじ1と1/2

タマネギ(大) 2個(スライスする)

緑ピーマン(大) 2個(種を取って角切りに)

ホット・レッドかグリーンチリ(Serranoまたはjalapeñoなど)  1~2個

(必要に応じて種を取り、細かく刻む)

ニューヨーク・タイムズ」より引用翻訳

作り方

作り方は簡単。まず、塩を振ったグリーントマトとタマネギを冷蔵庫に入れて一晩置きます。面倒ですがとても大事な下準備です。そのあとAの調味料とスパイスを混ぜて鍋に入れ火にかけ溶かしながら沸騰させます。そこに、水気を切ったタマネギを入れ5分ほど煮込み。さらに、水気を切ったトマト、ピーマン、チリを混ぜて沸騰したら弱火にして5分ほど煮たら煮沸した瓶に入れて冷ましてから冷蔵庫で2週間ほどしたら食べごろです。

ピクルスができたら、そのまま食べてもいいし、サンドウィッチに挟んだり、細かく刻んでタルタルソースに使うのもいいです。また、生のハーブと一緒に細かく刻んで、香り豊かなチャットニーのような薬味にすると、カレーにとてもよく合います。マスタード、オイル、それにピクルスと浸けた液少々をミキサーなどでピューレ状にすれば、とても美味しいビネグレットソースにもなります。

グリーントマトのBouyiourdi(ギリシャ料理)

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Photo: A.A. Newton

この伝統的なギリシャ料理の前菜は、がんばらなくても美味しいほぼ無敵の料理です。レシピもほとんど必要ありませんが、食べた人はどうしてももう一度食べたくなります。

作り方

まずオーブンを約220度に温めます。ざく切りしたグリーントマト、唐辛子1〜2個、それに薄くスライスしたタマネギ半玉を用意します。野菜を塩とオリーブオイルであえ、厚切りしたフェタチーズ(山羊チーズ)と層状になるように耐熱皿に入れます。

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Photo: A.A. Newton

オリーブオイルを惜しみなくかけ、オレガノ(乾燥でも生でもOK)を少々乗せたら、耐熱皿をアルミホイルできっちりと覆い、オーブンに入れて30分焼きます。最後にアルミホイルを取り外し、表面に焦げ色がつくまで焼きます。ハード系のパンとサラダ、それに冷たいワインかビールと共に、熱々のうちに食べましょう。目玉焼きとトーストと一緒に食べるのもありです。

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Photo: A.A. Newton

この必要最低限のレシピすら完璧に守らなくてもいいのです。タマネギや唐辛子が嫌いなら、入れなくても大丈夫!大人数で食べる時は、塩で味付けした野菜を天板の上に平らに敷き、フェタチーズ、オリーブオイル、オレガノを乗せたら焼くだけです。近所のギリシャ料理のお店では、薄くスライスしたトマトにフェタチーズを乗せ、オリーブオイルを大量にかけて焼いています。この料理の一番大事な要素しか入っていませんが、これがまた信じられないほど美味しいです。

グリーントマトのアップサイドダウン・コーンブレッド

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Photo: A.A. Newton

パンやケーキなどの焼き物はいつもと同じものをつい焼きたくなりますが、Stella Parksの作るレシピには新しいものに挑戦してみたくさせられます。最近彼女が紹介していた、アップサイドダウン・ブルーベリーマフィンケーキも、私の頭の中に新しいヒントをくれました。グリーントマトが一山あり、コーンブレッドが大好きなので、その2つは完璧な組み合わせになると確信しました。

たまに自慢してもいいだろうと思うことのひとつ、このレシピこそまさにそう。グリーントマトはそれとわかるよう十分に形を保ったまま、バターとタマネギの香りがたまらなくリッチな、アップサイドダウン・コーンブレッドです。必要なものは、お気に入りのコーンブレッドのレシピ(私の場合はAlex Guarnaschelliのスキレットのコーンブレッド)に、バター、タマネギ、グリーントマトをプラスするだけ。

作り方

オーブンを予熱で約200度に温め、コーンブレッドを焼く器を用意します。グリーントマトを約1kgをざく切りに、中玉のタマネギか、とても大きなエシャロットか、ネギひと束を薄切りにします。バター大さじ3をオーブン対応の鉄鍋やフライパンで中火で溶かし、そこに切った野菜と小さじ1/2のアドボ(マリネ液)か塩を入れます。野菜に火が通り、水分が出ていい香りがしてくるまで、10〜15分炒めます。バターが焦げないようにフライパンを注意して見てください。ただし、狂ったように混ぜる必要はありません。

野菜が茶色っぽくなるまで炒めたら、味を見て、必要であればアドボか塩を足します。バターをひとかけフライパンに加えて、やさしく混ぜ、コーンブレッドを焼く器に炒めた材料をすべて入れます。スパチュラやスプーンで表面を平らにならし、器をオーブンに入れ、25分焼きます。時間がきたら、竹串などを刺して中まで火が通っているか確認しましょう。串がキレイに抜けなければ(生地が付いてきたら)、もう5分ほど焼きます。

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Photo: A.A. Newton

焼けたコーンブレッドの周りをバターナイフでぐるりと這わせて、耐熱皿を器の上にかぶせます。お皿が下になるように器と共に気をつけてひっくり返しましょう。30秒間ほどそのままの状態にして、ゆっくりと器を取り外せば、コーンブレッドがきれいに姿をあらわすでしょう。きれいに取れない場合は、コーンブレッドを器に戻してください。サワークリームやホットソース、ボリューム満点のスパイシーなスープと一緒に召し上がれ。

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Photo: A.A. Newton

完熟よりも少し若いグリーントマトを選べば、すぐに腐ってしまう野菜や果物で冷蔵庫がいっぱいにならずに済みます。このレシピで、熟れていないトマトのまだ知らない美味しさに気付いてもらえるとうれしいです。

A.A. Newton - Lifehacker US[原文

Photo: A.A. Newton