大量懲戒請求された弁護士の提訴予告は「品位失う非行」 市民団体代表の男性が懲戒請求

 インターネット上のブログで扇動され、延べ計約4千件の懲戒請求を受けた東京弁護士会(東弁)所属の弁護士2人が、対抗措置として請求者を相手取り民事訴訟を起こす方針などを表明したのは「懲戒請求者を萎縮させるもので、弁護士としての品位を失うべき非行に当たる」などとして、市民団体の男性(63)が、東弁に2人の懲戒請求を申し立てたことが23日、分かった。申し立ては21日付。

 男性は弁護士の不正を監視する「弁護士自治を考える会」所属。男性が懲戒を求めたのは佐々木亮弁護士と北周士(かねひと)弁護士で、東弁が平成28年4月、朝鮮学校への補助金支給を求める声明を出したところ、昨年6月以降、声明に賛同したことを理由に佐々木氏を含む東弁の10人に190人から懲戒請求が出された。

 その後、ブログが懲戒請求を呼びかけていたことが判明。ツイッターで佐々木氏を擁護する投稿をした北氏にも請求が相次ぎ、これまでに2人に対し延べ計4千件の請求が寄せられた。

 2人は今月16日に記者会見を開き、「不当な懲戒請求を受けた」として請求者約960人を対象に、1人あたり60万円の損害賠償を求める訴訟を起こすと表明した。同時に、慰謝料10万円の支払いを条件に和解に応じる姿勢も示した。

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