お腹の調子が悪い日は、プールも温泉も入っちゃだめ

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  • author Rina Fukazu
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お腹の調子が悪い日は、プールも温泉も入っちゃだめ
Image: kudla/Shutterstock

おとなしく、リスケしましょう。

お腹の調子がわるいとき、公衆のスイミングプールや温泉に出かけようとしたことはありませんか?

「もしかしたら水の中に浸かっているうちに体調良くなるかもしれないし......」なんて心得ちがい。アメリカ疾病管理予防センターが発表したレポートの筆頭著者・Michele C. Hlavsa氏は「下痢などの症状がある人は、水中に入らないこと。これは、公衆の人たちにとって重要です」と米Gizmodoにコメントを残しています。

2000年から2014年のあいだ、アメリカの46の州とプエルトリコで合計493件の疾患の集団発生が確認され、少なくとも2万7219人が病気になり8人が死亡しています。

このうち400件近くの事例を具体的に調べたところ、94%は病原菌によるもので、特に胃腸障害を引き起こすクリプトスポリジウム、レジオネラ菌、プソイドモナスが多く確認されました。その他6%は水中の塩素過多など化学的汚染であったこともわかっています。

2000年から2006年のあいだにクリプトスポリジウムを原因とする症例は毎年平均25%増加しましたが、2006年以降は落ち着いています。2000年から2014年にかけて、レジオネラの症例件数は毎年平均14%増加し、プソイドモナスの場合は平均22%減少傾向にあります。

そしてプールなどの水中に潜む病原菌のなかで最も一般的なのは、塩素に対して強い耐性があるといわれているクリプトスポリジウムです。著者によれば、どんなに管理の行き届いたプールであってもクリプトスポリジウムは7日間生き伸びることができるらしく、これは症例の89%を引き起こしていることからも明らかになっています。

いっぽうでレジオネラ菌やプソイドモナスといった病原菌は洗浄剤で除去しやすいですが、こうした殺菌剤を使っていない温水浴槽やスパは例外です。

クリプトスポリジウムは下痢など一般的な胃の不調を引き起こし、レジオネラ菌は風邪に似た症状がでるポンティアック熱のほか、エアロゾルとして吸いこむと致死的な肺炎に感染します。プソイドモナスの感染は皮膚にできる毛包炎や、耳に入ると外耳炎を起こすことがあります。

これらの感染症が広がるのを防ぐために、お腹の調子が悪い日は公衆のプールや温泉に入らないことです。また(改めて呼びかける必要もありませんが)これからの季節、誤ってプールの水を飲まないように注意してくださいね〜。


Image: Shutterstock
Source: CDC

Ed Cara - Gizmodo US[原文
(Rina Fukazu)