「期限が迫った仕事がたくさんあるのに、会議ばかりに時間を取られてる」と困ってしまう経験を、誰もが一度はしたことがあるでしょう。心理学者リエイン・デイヴィー氏が「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌で提案したアイディアを参考に、会議を効率化するコツを考えてみましょう。

チームの仕事を明確にする

会議を開く意味は、チームで考える時間を取ることにあります。個人で責任をもって進められる議題が挙がってきたときには注意が必要です。デイヴィー氏が記事で言及している「個人が責任を持つトピックではなく、チームに悲惨な結果を招かないための変化をつくる場」という会議の役割を考えてみるとよいでしょう。

議題を分割する

うまく話がまとまらない経験をしたことがあれば、議題がごちゃ混ぜになっていないか要注意です。課題が複数隠れていないか、議題を分析してみましょう。

「新規導入した製造ラインについて話していても、製造過程で起こっている問題と廃棄率に関する懸念は、2つの議題に分けて考えられる」とデイヴィー氏が記事でたとえているように、1つの話題にいくつかの課題が隠れていることもあります。

話題にあげる頻度を決める

チームで共有したい話がたくさんあったとしても、1回の会議で話し合える話題は限られています。どの程度の頻繁で議題にあげる必要があるか、検討してみましょう。

「製造管理については毎日の確認が必要かもしれませんが、大きなプロジェクトは2週間や1カ月に1回になる場合もあるでしょう」というディヴィー氏の目安が参考になります。

Photo:Shutterstock
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ほかにも、会議の時間は打ち合わせごとに調整することや、会議が時間内に終わらなかった場合を想定することも大切です。 話題ごとに適切な会議時間は変わるため、すべての打ち合わせを無意識に1時間や30分と決めてしまうのは無意味。会議の目的にあわせて長さを調節することを忘れないようにしましょう。

また、クリエイティブな会議ほど、予定していた時間をオーバーしてしまいがちです。時間が足りないことで、議題を最後に押し込んだ結果、不十分な話し合いになってしまうこともあるでしょう。また、思ったより議論が進まず、早めに会議を切り上げることもあります。予備の会議を予定するなど、会議の受け皿を用意しておきましょう。

手間がかかることから、会議のことを、ついネガティブに考えてしまいがちです。ですが、さまざまな利点もあります。たとえば、カタール財団に所属するカタールディベートセンターという学術機関では「信頼や安定、自尊心が向上する」「チームワークを良好にする」といった、議論する利点を強調しています。

イスラム圏は一部の地域で激しい派閥争いが行われていますが、カタールのディベートセンターでは、議論することで視野を広げ、ソリューションを探すということに価値を見いだしています。

ビジネスの場面でも同様に、複数の意見を持った人が議論することで、新しい視点や発想が見つかりやすくなります。会議を効率化するコツは、1つや2つ程度から試してみることもできますから、参考にしてみてください。

cafeglobeより転載(2018.03.13公開記事)

Source:Harvard Business Review, Qatar Foundation

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