薄着の季節が到来し、電車のつり革につかまると目に入る二の腕のたるみ。そうでなくとも、日ごろ見て見ぬふりをしがちなニクニクしいお腹周り。スポーツジムに通っている同僚を見て、自分も行った方がいいのかな、と気になっている方もいることでしょう。

とはいえ、忙しいビジネスパーソンとしては、スポーツジムに通う時間を工面するのも難しいもの。短時間で効率よくトレーニングができる、ベストな方法を探した覚えのある方もいるのでは。

2018年5月にシリーズ累計販売台数140万台を突破した、家庭用のEMS機器で知られるSIXPADが、この夏にEMSトレーニング・ジム「SIXPAD STATION」を代官山にオープンすることになりました。

SIXPADSTATION外観
Image: SIXPAD

EMS (Electrical Muscle Stimulation=筋電気刺激) とは、本来筋肉が動くときは、脳からの電気信号が脊髄を通して筋肉に伝わることで収縮が行われるのですが、筋肉に直接電気信号を与えて収縮させる技術。つまり、無意識で筋肉を動かしてトレーニングすることができます。さらに適切な動作を加えるとトレーニング効果がアップ。

EMS製品はいろいろなものがありますが、SIXPADで採用している周波数は20Hz。EMSの研究を40年間行う京都大学の森谷敏夫名誉教授が開発に協力しており、最も効果的な数値だとわかったのだとか。ただ、20Hzは痛みが伴いやすいので他社製品では取り入れておらず、SIXPAD独自の技術とのこと。

「SIXPAD STATION」のコンセプトは「近未来型EMSトレーニング」。日本人でジムに通っている人は総人口の3%で、アメリカの17%やイギリスの14%と比較してかなり低いという実態があるそう。そこで、続けられない理由は ①時間がない ②効果がわかりにくい ③楽しくない、という、3つだと想定し、それらを解決するべく生まれたのが「SIXPAD STATION」です。

SIXPADの技術と独自のプログラムを合わせることで、効率的なトレーニングを追求。たった15分間のトレーニング時間で効果的に全身を鍛えることができるそうです。結果のフィードバックがあり、筋肉がどれくらいついたか可視化できるため、続けられる楽しさもあるとのこと。

若いときは自分には関係ないと思っていたものの、30過ぎて気づけばいろいろ気になる、とありがちな状況の筆者が実際に体験してきました。

主要な筋肉に最適な電気を流すテクノロジー

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EMS フルボディスーツ
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

ジムに来るときは手ぶらでOK。受付けをしたら「EMSフルボディスーツ」を着用します。スイムウェアのようなアンダーウェアに着替え、スタッフさんの手で電極が流れるパーツを最適な形でつけてもらいます。

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Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

EMSの電極は体の中心と左右対称、9部位18カ所*に配置されます。筋肉ごとの特性に適した大きさと位置になっており、効率よく通電されるそう。

鍛えられる9部位は、太ももの大腿四頭筋、ハムストリング、お尻の大殿筋、お腹のシックスパックを作る腹直筋、大胸筋、上腕二頭筋と上腕三頭筋など、一般的にトレーニングで重視される目立つ部位なので、成果がすぐに実感できそうです。

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パッドに水をかけている様子。人肌くらいの温度。
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

電極のあるところには保水素材のパッドが入っていて、通電効果を高くするために水分が含ませられます。ひとつひとつに無線通信で指示がされるようになっているので、ひとつの機器が断線してもすべてが動かなくなるようなことがありません。これによって安全性の面でも安心度が高いです。

安全に関してはほかにも配慮があり、一定期間通信が滞ると電気が止まるようになっていて、さらに電気の強さはミス操作をしても一気に強くならないようになっています。

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複数あるベルトそれぞれを適した強さにしめられます。
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

このスーツは、身長150cmから2m、ウエスト60cmから120cmまでと、幅広い体型の人に対応。パッドを密着させ、身体に電気を均一に流すために、複数の箇所をベルトで締め付けて適度にフィットさせます。トレーニングに大事な呼吸を妨げない程度ですが、ちょっときついかな、と思うくらいスタッフさんからギュッとしめられます。

あくまで筋肉をつけるのが目的でカロリーをたくさん消費できるわけではないですが、筋肉がつくと基礎代謝量が増えるという意味で、ダイエットにもつながるでしょう。

効率の良いトレーニングの仕組み

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Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

最大6人でトレーニングができるようになっており、トレーニングマシーンのような大きな機器はなく、ひろびろとしています。見た目からしても未来のジム感あり。

EMSハイブリッドモーション・プログラム
Image: SIXPAD

全工程はウォーミングアップ、5セットのトレーニング、クールダウンで15分間。通常のジムに通うと、着替えなどの準備を含めて2~3時間はかかりますが、「SIXPAD STATION」は準備時間も含め、予約で取れる時間の30分で終了。

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動きだけでなく、関節や腕の長さといった骨格の個体差が人型に反映されている。
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

トレーニングは「デジタルトレーニングミラー」を見ながら行います。モーションセンサーが入っており、ミラーに映る姿から骨格が分析され、左の人型に反映。自分の動きを確認しながら、正しいトレーニングフォームに誘導してもらうことができます。

右の白い人型には今のトレーニングでやることと、鍛えている部位が表示。また、「デジタルトレーニングミラー」には動作をキープする時間のカウントなども見ることが可能。さらに、トレーナーも実際に横で手本やアドバイスをしてくれます。

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トレーナーがコントロールタワーを操作している。大胸筋と腹直筋を鍛えており、手の動きや強さを確認しながらトレーニング。
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

「EMSフルボディスーツ」から筋厚が測定され、どのくらいストレスが加わっているか、「コントロールタワー」に情報が送られます。トレーナーは「コントロールタワー」で、送信されてきた情報と合わせてトレーニングをする人の様子を見ながら適宜制御。

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電気の強さは1から100まで。それぞれの部位にどれくらいの強さがかかっているのか、見せてくれている。
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

電極のそれぞれの位置の筋肉がどうなっているか確認し、電気を弱めるべきか、強くするかをコントロールできるので、効率よく、それぞれの人に合ったトレーニングをすることが可能。もちろん、希望に反して無理に強くされることはなく、トレーナーはトレーニングする人の実際の状態を見つつ、声をかけながら調整をしてくれます。

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本人談:「めっちゃきついです」
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

デモでやっていただいたスタッフの方は、運動は週に1度やるくらいとのこと。モデルケースかと思いますが、トレーニングの半分くらいですでに息が荒くなり、終わったあとは汗がだらだらと流れていました

「SIXPAD STATION」を実際に体験

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左側の白いラインが皮下脂肪や筋肉の層、右側にグラフが出ます。皮下脂肪が15mmと言われました。
Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

私も体験してみました。「SIXPAD STATION」は定期的に通う場合、毎月トレーニング前にエコー検査で実際にどれくらい皮下脂肪や筋肉がついているか測り、記録がとられるそう。今回、実際に測ってもらうことで自身の「ターゲット」を自覚することになりました。目で見ることで、どれくらい脂肪が減ったか筋肉がついたか、変化の推移が把握できます。

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Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

痛みは、全身をゴムでギュッ、ギュッと複数の箇所をしぼられている感じです。何だか、自分がボンレスハムにでもなったような気分に。また、部位によって感じる痛みはかなり違い、手足は心地よいともいえるくらいでしたが、胸にはするどい痛みを感じ、弱くしてもらいました。

正直EMSの機器自体、使うのが初めてだったため、電気に少し怖さを感じていました。人によって筋肉の付き方や感じる痛みの強さも違うので、細かく自分仕様に調整してもらえるのは、効果だけでなく安心感もあります。

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Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

また、じっとしていると刺激に対して受動的なので痛みを強く感じますが、動作をしているときは自ら動いて能動的に刺激を受けるので、気にならなくなってきます。やっている最中に電気の強さを最大で8段階アップされましたが、実感はありませんでした。

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Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

終わったあとは、各トレーニングがどれくらい上手くできたかをスコアで見ることができます。達成感のほか、次にどこに力を入れればいいか客観視できるので、やりがいにつながります。

自分の場合は、「57点なんてひどい点数だな」と少しヘコみました。しかし、トレーニングの最中に「オッケーです!」「姿勢きれいですよー!」「頑張っていきましょうー!」と声かけをして、やる気を出させてくれるトレーナーは、スコアに対しても良かった部分をほめちぎってくれます。「そんなに悪くないんじゃない? 続けてもいいかな…」とまんざらでもない気持ちに。

トレーナーにはトレーニングの最中にプログラムのことだけ質問できるというわけではなく、準備中などにトレーニングに関する全般的な相談もできるそうです。機械的な設備だけでなく、人のサポートもきちんとしているからこその充実さがあると感じました。

たったの15分間でしたが、翌日には全身が筋肉痛になり、トレーニングが効いたという実感です。

瞑想もできる。心も鍛えてパーフェクト

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Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

「SIXPAD STATION」はオプションとして、トレーニングのあとに禅のように精神統一できる部屋「ZENROOM」を1000円で使用することが可能です。「心身をリセットする15分」ということで、「調身」「調息」「調心」がキーワード。姿勢、呼吸の深さ、心の落ち着きを総合的に分析して、心身の移り変わりを感じ取ることができるそう。

部屋にはバイタルセンサーとキネクトセンサーが埋め込まれており、座るとプログラムとセンシングがスタート。プログラムは瞑想に入りやすいよう、映像やアロマミスト、風など五感をともなう仕様になっています。結果はスコアとして確認が可能。

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Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

10分間のプログラムが終わると「ZENROOM」の隣に設けられた席に、お茶と占いのように自分を振り返れるひとことが紙に書かれた「おことば」が用意されています。「心身の健康」という言葉があるように、健康には体だけでなく心もあってこそ。総合的な健康が抜かりなく考えられているなと感じました。

SIXPAD STATION」のプレオープンは6月1日から、グランドオープンは7月*を予定。週に2回通うと最も効果的なのだとか。1回利用は8000円と安くはないですが、時間を無駄にせず、効果的にトレーニングができるということで、ほかにはない価値はあるのではないかと思います。また、月に4回、8回、12回のマンスリープランも用意されているとのこと。体験利用は3000円と気軽に挑戦できるので、日頃忙しく効率的な筋トレを求めていた方は、試してみてはいかがでしょうか。


Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

Image: SIXPAD

Source: SIXPAD, SIXPAD STATION

*事実誤認があったため一部内容を修正しました(2018年6月18日 16:21)