コンサートほど、一体感を生み出せるイベントは地球上にありません。でも、迷惑な客に遭遇して、嫌な思いをしたことはありませんか?

コンサートに慣れていない人、メタルの常識がフォークにも当てはまると思っている人。とにかく迷惑な人など、意図的かどうかを問わず、その場の雰囲気を壊している人はごまんといます。これからのフェスシーズンに向けて、未熟者と思われたくない人や、なぜか毎回ひんしゅくを買ってしまう人のために、基本的なガイドラインをお伝えしておきます。

よく理解して、出演者にも聴衆にも敬意を持ってコンサートに臨みましょう。

リクエストを叫ばない

憧れのミュージシャンを前に、自分の大好きな曲を演奏してほしいという衝動にかられる気持ちはよくよくわかります。でも、あなたの音楽のアイドルに対してほんの少しでも敬意を持っているならば、聴きたい曲を叫ばないでください(演者がリクエストを求めた場合は別ですが、それはめったにありません)。

理由は2つ。第1に、かれこれ10年も演奏していないような曲を熱狂的な匿名さんにリクエストされたところで、彼れがあらかじめ用意しておいたセットリストを変えてまでそれをやろうという気にならないから。

第2に、そのような行為は不快で場を乱すばかりか、たいてい連鎖反応を生み出すことになります。次から次へと、自らのファン度をアピールする人たち(多くが男性)の姿は、とてもダサイのでやめてください。「フリーバード!」と叫ぶジョークも、もう遠い昔に消え去ったのでやめましょう。

質問攻めにしない

リクエストを叫ぶのもそうですが、「かっこいい!」とか「結婚して!」といった叫び声もミュージシャンをいらつかせます。心の中で思うのはまったくの自由ですが、それを口に出したところで、愛想笑いを浮かべられるか、気まずい「ありがとう」が返ってくるのがオチでしょう。観客みんなが見たがっている出演者と1人の客にすぎないあなたの間でやりとりをしようなんてもってのほかですよ。

聴衆はあなたのくだらないジョークを聴くためにお金を払っているわけではないし、ミュージシャンは友達を作りに来ているのではありません。話をしたければ、コンサート中ではなく、終了後の物販などで会えるチャンスがあるはずです。

背の高い人は後ろに

残念ながら、背が高い人は、後ろの人の邪魔になっています。身長を問わずベストな見晴らしが得られるように変形する会場が発明されるまでは、後ろに立ってもらうしか対策はなさそうです。それでもかなり背が低い人は見るのに苦労しますが、とにかくまわりへの配慮は忘れずに。

モッシュは場を選んで

モッシュが想定されているメタルやパンクのコンサートでない限り、おそらくモッシュはやめておいたほうがいいでしょう。ほかの誰もモッシュをしていない場合も、おそらくやめておいたほうがいいでしょう。スローで優しい曲のときは、絶対にモッシュをしないでください。皆がプッシュモッシュ(押したりぶつかったり)だけをしているときは、おそらくハードコアダンス(リズムに合わせてスイングやキックする)はやめておいたほうがいいでしょう。撃沈しそうな明らかな新米を見つけたら、うなだれて帰ることにならないよう、脇に引っ張って注意をしてあげてください。

セット中はしゃべらない

一緒に歌いましょう。一緒に叫びましょう(静かなアコースティックのバラード中はNG)。一緒に泣きましょう。一緒に笑いましょう。音が紡ぎ出すピュアな喜びからくる、抑えきれない感情を表現しましょう。2人の出会いのきっかけになった曲なら、パートナーの耳元で愛をささやくのもいいでしょう。でも、お願いですから、セット中に会話をするのだけはやめてください。なぜって、音楽よりも大きな声で叫ばなければ相手には聞こえません。映画館でのささやきと同じで、その声はあなたが思っているよりもずっと大きく、周囲の人にも聞こえています。

群衆の中を進むときは礼儀正しく

後方から前方に移動するときは、機敏かつ辛抱強く動いてください。テレビゲームのように、隙間を見つけてはそこに入り込むという動作を繰り返すのです。でも、通路にいつまでも残っていてはいけません。誰かの邪魔になっていることが多いからです。仲間がいるなら、3、4人のグループで動くほうが、1人ずつ群衆をよけながら進むよりスマートです。

身体が大きい人は、前方が混雑しているときは、今の場所でしばらく落ち着いて見るほうがよさそうです。前方への移動時におすすめなのが、ステージから遠ざかる人が作った道を進むこと。とはいえ、次の動きができそうになければ、その場にとどまるしかありません。前で聴きたいという自分だけの都合で、多数の人々を無理やりかきわけて進む行為はやめましょう。

クラウドサーフは人を蹴らないように

モッシュ同様、誰もクラウドサーフ(観客に支えられ頭の上を移動すること)をしていないときは、やめておいたほうがいいでしょう。ただ、演奏がかなり刺激的で誰もが激しく踊りはじめたなら、近くの屈強な人を1人か2人つかまえて、ジェスチャーで観客の上に上げてもらえるよう合図をしてもいいかもしれません。

繰り返しますが、規範そっちのけのハードコア系ライブを除いて、いきなり人の背中に飛び乗ったり、気前よく持ち上げてもらおうとは思わないでください。サーフィン中は、背中またはお腹を下にして体を水平に保ちましょう。足を振り回したり、人の上にひざをついたりしないでください。いつでも落ちてもいい準備をしておくことも大切です。見知らぬ人々の頭上を長く移動する覚悟があるのなら、激しく落ちる可能性も受け入れなければなりません。

撮影OKなタイミングを知る

幸せな瞬間を写真に収めたい気持ちは理解できますが、曲を丸々録画するのは、後ろの人の邪魔になります。それにその動画、2回以上見返すことはあるのでしょうか? フェスであれば、あなたよりずっと腕のいいプロのカメラマンが、ずっといいアングルからずっといい画質で映像を撮っている場合がほとんど。たとえローカルなイベントでも、必ず誰かしらデジタル一眼で写真を撮っているはずです。

それにあなたは、暗くてブレているコンサート写真ばかりのインスタストーリーを投稿する人と思われたいですか? 自分のフィードにそんなコンテンツが流れてきても、誰も見たいとは思わないでしょう。それから、フラッシュ撮影は演奏者にとってかなり気が散るもの。もし撮影したければ、スタッフにフラッシュOKかどうかを尋ねてください。

手を出さない

どんなコンサートであれ、コンサートで不快な思いをしたい人はいません。クラウドサーファーの体を触るのが目的の人、観客の中をかきわけて進むときに必要以上に人にしがみつく人、演奏中のアーティストにハグをする人は、どうか家にいて、考え直してください。音楽の場は(どんな場も)、そんな最低な輩が来る場所ではありません。


Image: Sam Woolley

Source: YouTube

Eli Enis - Lifehacker US[原文