マダニ対策になる「虫除け衣類」の効果を確認。自分でも作れちゃいます

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  • author Rina Fukazu
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マダニ対策になる「虫除け衣類」の効果を確認。自分でも作れちゃいます
Image: Olga Pink/Shutterstock.com

アウトドアに最適。

ダニ媒介感染症が増えてきていることから、最近では植物由来の家庭用殺虫剤「ペルメトリン」を衣類に施すサービスや、すでに加工済みのシャツやパンツなどを販売する企業も珍しくありません。先日、虫除け衣服に施したペルメトリンの効果が、学術誌「Journal of Medical Entomology 」に掲載された研究で明らかになりました。

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の先行研究では、衣類へのペルメトリン処理がシカダニ(Ixodes scapularis)対策に効果的であることを示していました。

最新の研究ではこれにくわえ、アメリカで広く分布するマダニの一種、ローン・スター・ティック(Amblyomma americanum)やアメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)にも効果があるのかが調べられました。さらに、若虫のほうがより感染症を媒介すると考えられてきたことから、ペルメトリン加工の衣類が若虫、成虫どちらにも効果があるのか探ってみることに。

研究者らは、ペルメトリン加工で知られるメーカーInsect Shieldからシャツ、パンツ、靴下など10点の衣類を用意。実験では、ダニが衣服から落ちるかどうかを確認するために(着用時のパンツやシャツの袖部分などを想定して)衣服を垂直に立てた状態と、単に衣類を横に寝かせた状態でダニへの反応を観察しました。

すると、調査されたダニのうち、すべての種類(ローン・スター・ティック、アメリカイヌカクマダニ)、そしてすべての成長段階(若虫、成虫)に対して効果がみられたといいます。

アメリカ疾病管理予防センターの昆虫学者で筆頭著者のLars Eisenさんによると、ダニは垂直に立てられた衣服から落ち、すべてのダニは5分間の衣服への接触で少なくとも1時間は噛みつけない状態になっていたとのこと。

シカダニの若虫はすべて、たった1分ペルメトリン加工の衣服にさらされただけでノックアウト。同じく1分間接触したメスの成虫の場合、シカダニは62%、アメリカイヌカクマダニは18%、ローン・スター・ティックは2%が効果が確認されていました。

ペルメトリン加工の衣類の効果について強力なエビデンスが示されたいっぽう、今後は「何度も洗濯すると効果が薄れるのではないか」という課題にも向き合っていく必要があります。

ペルメトリン加工の衣類の利用について、どんな衣服が最も効果的なのかなど、より具体的なガイダンスを提供したい

そう話すEisenさん。今後の研究によって公衆環境衛生の向上が期待されています。

もし、虫除け衣類を探すのが面倒な場合は、ペルメトリンを使用した衣類用スプレーもあるみたいです。こうした虫除け服のDIYなら、マダニに限らず蚊などの虫対策も期待できますよ。CDCによると、こうしたスプレーには0.5%ほどのペルメトリンが含まれていて、ブーツやパンツ、靴下のほかテントなどアウトドア用品にも最適だと考えられています。キャンプに出かける機会があれば良いかもしれませんね。

最後にペルメトリンは、低用量であれば人間に害を及ぼすことはないとされるいっぽうで、猫や魚類には毒性が高いことに注意しましょう。


Image: Olga Pink/Shutterstock.com
Source: Journal of Medical Entomology

Ed Cara - Gizmodo US[原文
(Rina Fukazu)