一言で全部やってくれる。
今日のWWDC 2018では想定通りiOS 12が発表され、その中でより賢くなったSiriの新機能も明かされました。Apple(アップル)いわく、Siriは世界で一番たくさん使われているデジタルアシスタントだそうですが、一番評価が高いのかっていうとそこは微妙じゃないでしょうか。Amazon AlexaやGoogle Assistantといったライバルたちに抜かれている感もある今、Siriはこのアップデートで巻き返せるのでしょうか?
今回のSiriの目玉アップデートは、「ショートカット」。これはサードパーティのものも含めたさまざまなアプリや機能を、指定のフレーズで素早く簡単に使えるようにするものです。今日のデモでは、Siriに「カギ、なくしちゃった〜」と話しかけると、Siriが落とし物トラッカーの「Tile」アプリを動かしてカギに付いているTileの音を鳴らしてくれてカギが見つかる、といった事例を見せてくれました。
ほかにも、毎朝アプリからコーヒーをオーダーしている人には「今日もこれ、オーダーしますか?」と良いタイミングで聞いてきて、ワンタップで注文できるようにする、といった芸も可能なんだそう。オーダー内容も「いつもの」を覚えててくれるので、「ソイラテのグランデ、エキストラショット入りで」みたいなことをいちいち入力する必要もなく、Siriからの確認に「それやっといて!」と返すだけで、あとはお店にコーヒーを取りに行けばOK、っていうのはすごく気持ちよさそう。
ショートカットはSiriの察しがないと使えないわけじゃなく、「Shortcuts」アプリなるものを使って自分独自のショートカットを作ることも可能になります。たとえば「Heading Home(家に帰る)」というと、家のエアコンを快適な温度に調節してくれたり、Mapアプリで家までのルートを表示したり、指定の連絡先に「帰るよ」と連絡したりといった、帰宅にまつわる一連の動作をセットでやってくれます。これらの動作セットは、下の画像にあるようにアプリの中に最初からたくさん入っているので、そこから自分が使いたいものを選んでもいいし、自分で作ってもいいようです。
また、この機能は単にアプリを呼び出すだけじゃなく、たとえば好きなスポーツチームを登録しておけば、「It's game time(試合の時間だね)」というと試合のスコアを表示してくれたりもするようです。ほかにも、Walletアプリに映画のチケットを入れた状態で映画館に行けば、iPhoneをサイレントモードにするかどうか確認してきたり、家族の誕生日に電話するように提案してくれたりと、ユーザー側が指定しなくても勝手にいろいろ世話を焼いてくれるイメージですね。
さらに、Apple WatchにおけるSiriももうちょっと賢くなりました。今まではSiriを呼び出すために「Hey Siri」というか、デジタルクラウンを長押しするかが必要だったんですが、今後は手首を持ちあげてApple Watchをオンにするだけで、Siriも一緒に立ちあがるようになりました。
全体的に、Siriが今まで以上に前のめりになる感じですね。これでSiriはみんなにとって今まで以上に身近なアシスタントになっていくんでしょうか?
Image: Apple
Source: Apple
Sam Rutherford - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)