愛媛知事、補助金見直し「考えず」 加計学園の謝罪問題

大川洋輔 前田智
【動画】加計学園への建設補助金の見直しについて「考えていない」と話す愛媛県の中村時広知事=大川洋輔撮影
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 学校法人「加計学園」の獣医学部(愛媛県今治市)の新設をめぐり、県の文書に書かれている学園の加計孝太郎理事長と安倍晋三首相の面会はなかったと学園が県に謝罪した問題で、中村時広知事は4日、県が支出する補助金の見直しを「考えていない」と述べた。学園に対し、加計氏の記者会見を要望したことも明らかにした。

 県の文書には、2015年2月に首相と加計氏が面会したと学園から報告があったと記載。学園は今年5月26日、「実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出した」とするファクスを報道各社に送付し、同31日に渡辺良人事務局長が県幹部を訪ねて謝罪した。

 中村知事は同日、台湾出張中で、今月4日に正式な報告を受けたという。県が学園に補助金を出す今治市に対して3年間で約31億円を補助することについて、「具体的に出す出さないという議論は全くしていない。(面会があったかなどは)それぞれがきちんと正直に言えば問題ないので、そこを信じたい」と述べ、現時点での見直しを否定した。

 面会がない場合は県文書に複数の矛盾が生じるとの指摘には、「極端な話、会っていようがいまいが、国が正しく認可を下ろしたら(県は)それに基づいてやるという立場。あまり意識していない」とした。学園に対し、学部設立の過程に問題がなかったとの確約を文部科学省に取るよう求めたという。

 加計氏本人の説明がないことには、「コンプライアンスの問題として、理事長にぜひ記者会見をして説明していただけないかと申し上げている」とし、「もう謝罪は受けた。県庁に来ないから許さないなんて全然ありません」と述べた。(大川洋輔、前田智)

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