ニューヨークでの個展が終わった。

夜、ギャラリーの外から見た『光る絵』の前に立つ人達が「影絵」のようで、とても綺麗だった。
それがやけに印象に残っている。

個展は大盛況だった。
ARを絡めた展示の手応えは掴めたし、本当に大きな仕事のチャンスもいただけた。
半歩ほど前に進んだと思う。

撤収時。
壁から原画の額縁を取り外している時に、一枚一枚の額縁の裏に、絵を描きあげた当時の日時と一言コメントが書かれていたのを誰かが見つけた。
僕自身、何を書いたかなんて覚えていなかったし、そんなことを書いていたことも覚えていなかった。


『オルゴールワールド』という絵本の原画の額縁の裏側に「2011年6月24日 『えんとつ町のプペル』の脚本を書き上げた。この作品は大変なことになると思う」とあった。

今から7年前、まだ『はねるのトびら』をやっていた頃だ。
絵本を描き始めたのは、それよりもっともっと前目で、僕が25歳、『はねるのトびら』がゴールデンに昇格して軌道に乗り出した頃だ。

その頃に絵本を描きだした僕を指して「頭がオカシイ」と揶揄した人はたくさんいたし、「芸人のクセに」と日本中から言われた。
「絵本なんて描いてねーで、ひな壇に出ろ」と、ワケの分からないことまで言われた。
なんで他人が僕の人生を決めるんだ。

これは毎度言うけど、僕自身は「知らねーよ、バカ」と返せたが、僕のまわりのスタッフやファンの方には本当に肩身の狭い思いをさせてしまった。
SNSでは、「西野? あの、よく炎上して嫌われている芸人でしょ? なんで、あんなのを応援してるの?」と言われているファンの姿をよく目にした。

挑戦に迫害はつきもので、その挑戦が大きければ大きいほど大きな迫害に遭う。
タチの悪いことにその攻撃は、結果を出すまで延々と続く。

僕は挑戦する人を徹底的に肯定するし、挑戦する人が挑戦しやすい環境を作りもするが、ただし、迫害を消すことはできない。
人がコミュニティーに所属する限り、村八分は一生無くならない。

たとえばキミが大きな挑戦をしている途中で、ヒドイ目に遭って、そこでどれだけ正論を唱え、「ふざけるな」「邪魔をするな」と叫んでも、
キミやキミのまわりの人間を傷つける攻撃の手は止まない。

そこから逃れたければ、
キミのまわりの人間を助けたければ、
キミは圧倒的な行動と結果でもって、その重力圏を突破するしかない。

個展の最終日に、一人のお客さんから、僕の挑戦が励みになっていることを聞かされた。
その人は今、少し前の僕と同じように声をあげ、笑われ、叩かれているそうだ。

気持ちは痛いほどわかる。

僕の活動が、そんな人の励みになっているのなら、これほど嬉しいことはない。

こんな感じで、ボクはキミと励まし合い、支え合って生きていきたい。
もしもキミが大きな挑戦をするのなら、僕は大きな声で「頑張れ」と言うし、駆け込み寺にもなる。


そんなキミに聞きたいことが一つある。

すでにニュース(詳しくはコチラ)で知っているかもしれないが、3億円の借金を抱えることになった。
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オンラインサロンメンバーと話が盛り上がってしまい、『えんとつ町のプペル美術館』を地元・川西に作ることになったのだ。

性根が貧乏人の僕は、静かな空間に絵を展示して、静かに見て回る美術館がめっぽう苦手だ。
とにかく緊張して、何も入ってこない。

僕が作る『えんとつ町のプペル美術館』は“美術館”とは名ばかりで、実際に「えんとつ町」を建設して、その間をローラーの滑り台で滑走する超体験型の美術館にするつもりだ。
テーマパークと呼んだ方が近いかもしれない。
もちろんニューヨークで大ウケしたARもブチ込む。

そんなこんなで3億円の借金である。

知っている人もいるかと思うが、僕は一切の貯金をしない。
仕事でいただいたお金は毎年全て他人に還元している。
Webサービスを作ったり、吉本興業にクリスマスツリーをプレゼントしたり、『はれのひ』の被害に遭った新成人に成人式をプレゼントしたり、だ。

なので今現在まるで貯金がないのに、3億円の借金を抱えることになった。


キミはどうするつもりだ?


このまま僕を見殺しにするのか?

キミが感じるままに動けばいいと思う。

ただ、
誰から頼まれたわけでもないのに、命懸けで地方創生に飛び込んでいく37歳のオッサンをキミは無視できるのか?

僕だったら無理だ。

よくよく考えて欲しい。
絵本やビジネス書で次々にヒットを飛ばすも、その印税で贅沢するわけでもない。
キングコング西野の食事は毎日コンビニの蕎麦だし、キングコング西野は毎日電車移動だ。

満員電車に揺られながら、本の印税は全て皆様に還元している。

そんな男をキミは見殺しにできるのか?
ここで「できる」と答えられるヤツは、何を食べて育った?
どのビタミンを接種すれば、そこまで下衆になれる?

圧倒的恐怖だ。

キングコング西野史上、これほどまで強く「『リベンジ成人式』のお金を返してほしい」と思ったことがあっただろうか?

キングコング西野は今、死にかけている。
これまでどおり生きていれば抱えなくてもよかったハズの借金3億円をノリで抱えてしまい、あらゆる間接が震え、激しい下痢に襲われている。

たった100円で救える命がある。
300万人が100円ずつ募金すればいいのだ。
とりあえず、このブログは絶対にシェアしろや。

借金返済が番組の企画になっているがガチ自腹だからな。
3億円の「ゴチになります」だ。

死ぬぞマジで!
なんとかしろや!!



【追記】
「すでに3億円の借金をしている」とも取れる表現をしてしまいましたが、記者会見でも申し上げましたとおり「3億円の借金ができるメドが立っている」ということで、これから借りる形となります。
一部誤解を招く表現をしてしまったことをお詫び申し上げます。(2018年6月5日20時48分)
※整理がつくまで、振り込みは一旦ストップさせていただきます。(2018年6月7日10時41分)