そよ風を、つかまえよう(詩的)。
オイルヒーターやコーヒーメーカーなどで有名な家電メーカー、De'Longhi(デロンギ)が、デロンギ史上初となる「空気清浄機付きファン HFX85W14C」を、2018年6月6日(水)に世界に先駆けて日本で発表しました。
ファンという名の通り、モノとしては空気清浄機機能付きの送風機+温風機です。多機能空調家電市場はここ2年で1.4倍ほど成長しており、冬の快適さを追求してきたデロンギも、これまでに培った快適さをさらに進化させ、365日ずっと心地良い空間を届けるべくこの市場に参入した次第です。正直、待ってました感あります。
日本とイタリアのチームが一丸となって取り組んだデザインは、神戸ポートタワーのようなシュっとした湾曲シルエット。家電家電してないけど、かといって前衛的すぎくもなく良い塩梅です。上部のメッシュがグラデーションっぽくなってるのも、ひねった感があって好き。
サイズはわりかし大きめで、空気清浄機というか太いタワーファンのようなスケール感。直径は27cm、長さは85cm。年中置くなら、定位置を決めちゃってインテリア的に見てもいいかもしれません。
では、メインの送風機能について。昨今のハイエンド送風機にもれず、デロンギも独自の送風技術を開発しました。風を空間=立体でとらえる「3Dコンフォート・エアテクノロジー」により、人が快適に感じる「3Dの風」を実現。体全体を均一に捉えてくるこの風のことは、きれいな風、ストレスを感じにくい風とも表現していました。
3Dの風の実現には、コアンダ効果(噴流が曲面に引き寄せられる現象)に着目。上部から吸い込んだ空気を本体内の背面にぶつけて、まず空気の渦を打ち消します。扇風機なんかの風にはこの渦が含まれており、冷えの原因になっているとか。
吸い込んだ風は側面パネルから左右に分かれて送風されます。側面パネルは曲面になっているため、出てきた気流は前方に向かってファ〜っと広がっていく、という理屈だそうです。流体力学ってすげー。
ここ、この後ろに見えるスリット部分! ここから風がファ〜っと出てくるんですけど、本体が湾曲してるから横だけじゃなくって本体の前にも風が来てるんですよね。
実際に風を浴びてみると、こう、面で届くというか、まさに体全体を包んでくるような風でした。扇風機のビームみたいな風ではなく、カーテンをふわっと揺らすそよ風を感じてるような。首振りにすると、縁側でたまに風が吹いてくるあの気分を味わえます。
紙で風を感じてみました。伝わりますでしょうか、立体の風が届くこの感じ……!
送風機の風量は10段階切り替えで、やっさしい風が欲しいときは1、お風呂上がりには8〜10が良い感じ。温風機モードだと風量は6段階切り替え。最大1400WのPTCヒーターが、顔から足までムラなく暖めてくれます。モーターはDCブラシレスモーターを使用。
リモコンは文字が一切なく、すべてアイコンで統一。美しい。本体上部にあるポケットにカポっと収納できるようになってます。
きれいな風を浴びるなら空気もきれいじゃないとねってことで、吸気口の360度ダブルフィルターは花粉やPM2.5などの有害物質を99%(JEM1467判定基準)除去します。側面ぐるりと底面の2箇所でフィルタリングする、スキを生じぬ二段構えですな。フィルターの取り換え目安は1日8時間使用で9ヶ月、価格は4,980円。
ふと気になったので、冬場にデロンギのオイルヒーターと併用したらどうなるのか聞いてみました。オイルヒーター+温風機にするとW数が大変なことになっちゃうけど、部屋全体をまんべんなく暖められて有用とのこと。デロンギ二刀流でポカポカ祭りだわっしょい。
ストレスを感じない優しい風を届ける送風機能、季節の変わり目を心地よく過ごせる温風機能、そしてきれいな空気を届けるための空気清浄機能。デロンギが365日使える空調家電を考えたら、こうなったのですねぇ。デザインも機能もすごく気に入りました。手触りも良いし、ミニタワーみたいな大きさも存在感があって好きです。覇者みがある。
市場予想価格は5万9880円、発売日は2018年6月8日(金)。快適さを突き詰めた、デロンギ謹製の3Dの風。量販店などで見かけた際はぜひ浴びてみてください。デロンギと過ごす、初めての夏がやってくる。
(2018年7月9日 16:33訂正)
写真三枚目のデロンギ・ジャパン 代表取締役社長 杉本敦男さんの名前に誤りがありました。お詫びのうえ、謹んで訂正いたします。