新卒採用の選考が6月から解禁ということで、就職活動ネタが出回るようになりました。
自分の父親について語ってくださいという質問で亡くなった父親を思い出してしまってボロボロ泣いてしまった、、、やってしまった、、
すごく好感触だったのになぁ、、
この記事もその一つ。
これを見て、「あらー、泣いちゃったんだ。面接官に悪い印象を抱かせたかもしれないね。残念だったね」とフォローしたくなる人はいると思うんですが、これは応募者がやらかした事例ではなく、面接官がやらかした事例ですよね。
何をやらかしたかというと「自分の父親について語ってください」と家族に関して質問していること。宗教とか政治とか思想信条に関することだけじゃなくて、家庭環境に関して聞くのも、就職差別に繋がるという考え方が、採用選考の基本としてはあります。
(3)採用選考時に配慮すべき事項
次のaやbのような適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり面接で尋ねて把握することや、cを実施することは、就職差別につながるおそれがあります。<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること
※太字は筆者
面接官の中には、雑談のつもりで聞いている人や、生育環境で評価することが就職差別に該当しうると知らない人が結構いて、家族の話が面接に出てくることはあります。
一次面接やっているような人事や若い人は注意しているんだけど、特に最終面接で登場するような偉い人は、会社から適切な指導・研修も受けていないことがある。官庁の幹部が必ずしもセクハラ研修を受けていなかったのと近い感じ。
セクハラ:官僚幹部の研修義務化へ 受講が昇任要件に - 毎日新聞
個人的には、こういう質問が面接でナチュラルにされてる会社は、入ってからも差別が行われる可能性が高いと考えていて、入社するのはどうかなと思います。面接官が誤って質問しちゃって、後からでも謝罪をするというのであればまだしも。
現実としては、まだまだ面接で気軽に就職差別をしてくる会社はなきにしもあらずなので、理不尽であっても受け入れざるをえないことは応募者本人としてはあるかもしれませんが、採用をやっている皆様には意識して面接して頂きたいなと思う次第です。
※画像は厚労省作成の『事業主啓発用リーフレット』から