テクノロジーに詳しい人なら、ときどき、何も知らない初心者に手を差し伸べるべき場面がやってくるものです。今週のTech 911は、家庭でよく見られる問題を扱います。そう、父と母がそれぞれにiPhoneを持っていて、1つのApple IDを使いまわそうとしたときに起きる、あの大混乱のことです。

友人のRachelleが最近、Facebookに次のような投稿をしました。(本人の許可を得て掲載)

Appleに詳しい友人たちへ:私の両親が、iPhoneにアカウントを紐づけたところ、2つのスマホがまったく同じになってしまいました。何がどうなっているのか教えてもらえませんか?ちなみに2人ともパスワードを憶えていないということです…。

Apple IDが1つ、iPhoneが2台、人間が2人、頭痛は2倍

私がこの投稿を正しく理解できているとすれば、Rachelleの両親は、2人で2台のiPhoneを持っているようです。おそらくそのうちの1台は、両親のどちらかが使ってきているものでしょう。もう1台は新しく買ったiPhone(か最近リセットされたもの)だと思われます。そして、新しいiPhoneをセットアップするときに、Rachelleの両親は、Apple IDを共通で使えばいろいろ捗るのでは? と考えたということでしょう。

これは一見、悪くない考えに思えます。アプリも映画も音楽も、アカウント2つではなく1つ分だけ支払えば済みます。では何が問題?

2台のiPhoneはそのほかにもさまざまな情報を同期することになります。ダウンロードしたアプリ、写真、音楽、iCloudの連絡先、カレンダー、リマインダーなど、ありとあらゆる情報です。そして、なんといってもiMessageです。2台の別々のiPhoneでiMessageを共有すれば、大混乱となるのは目に見えています。

あなたが本当に、本当に、この道を歩むつもりなら、2台目のiPhoneでiCloud関連機能をすべてオフにすることを強くおすすめします。しかしそうすると、今度はそのiPhoneでAppleのサービスをフルに活用できなくなります。たとえば、写真をiCloudにアップロードできなくなると、iPhoneを落としたときに、大切な写真をすべてを失うことになります。今どき、iPhoneをノートPCやデスクトップPCに接続してきちんとバックアップをとっている人がどれだけいるでしょうか?

無理な道を通ろうとするかわりに、次のことを試してください。1度、2台目のiPhoneをリセットします(iMessageの内容は失われますが仕方ありません)。プロンプトが表示されたら、新規デバイスとして設定を行います。バックアップから復元してはいけません。また、既存のiCloudアカウントでサインインしてもいけません。

iPhoneのホーム画面が表示されたら、両親のどちらかが「ファミリー共有」を設定し、もう1人のApple IDを招待します。こうすれば、メッセージやメモを別々のアカウントで管理しながら、購入したコンテンツを共有することができます。

たとえば、両親のどちらかがApp Storeでコンテンツを購入すると、両親2人ともが、それぞれのiPhoneにそのコンテンツをダウンロードすることができます(支払いは1回分だけでOK)。iTunesのコンテンツについても同様です。さらに、自分が購入したコンテンツの一部を非共有にすることも可能。このように、ファミリー共有をうまく利用すれば、2台のiPhoneで1つのApple IDを使い回すのと同じメリットを享受しつつ、デメリットだけを回避することができます。


Image: Dean Drobot/Shutterstock.com

Source: Apple(1, 2, 3

David Murphy - Lifehacker US[原文